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日本市場において、デジタル会員証の需要は年々増加しており、特にコロナ禍による非接触サービス需要の高まりでさらに注目を集めています。
2020年に株式会社ドットマネーが行った調査によると、国内のスマートフォン所有者の約8割がデジタル会員証の利用を希望しているという調査結果が発表されています。
現在では、多くの企業がデジタル化に取り組んでおり、特に、小売業や飲食業、美容業界などのサービス業において、デジタル会員証の導入が進んでいます。
本記事では、デジタル会員証を導入するメリットについて、またデジタル会員証の作り方について、アプリ開発会社である、弊社Rabilooの知見も踏まえて、わかりやすく解説していきます。ぜひデジタル会員証の導入の参考にしていただければ幸いです。
デジタル会員証とは、スマートフォン上で利用できる、電子的な会員証のことを指します。デジタル会員証は、従来の紙やプラスチックの会員カードに代わるデジタルツールとして、積極的に導入されています。
スマートフォン上のアプリや、メッセージアプリやウェブブラウザ上の専用ページを通じて、会員情報やポイント情報などを確認できます。
デジタル会員証は、利便性が高く、環境にもやさしいため、近年、多くの企業で導入が進んでいます。
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デジタル会員証は、従来の紙やプラスチックのカードに比べて多くの利便性があります。
デジタル会員証を導入することで具体的にどんなメリットが得られるでしょうか。
視点を、エンドユーザー側と企業側に分けて考えてみましょう。
まずは、お客さん(エンドユーザー)にとって、デジタル会員証には以下のようなメリットがあります。
財布の中がスッキリする
お得感がある
管理が楽
デジタル会員証を利用することで、スマートフォン1つで複数の会員証を管理できるようになります。カードをたくさん持ち歩かなくていいので、管理が楽になります。
また、いつも持ち歩くスマートフォンに会員証を保存しておけば、会員カードを忘れる心配がありません。
デジタル会員証により、ポイントの貯めやすさや特典の受け取りやすさが向上します。
例えば、店舗でのお買い物に加え、アプリ内でのクイズやゲームなどでポイントを貯めることもできます。また、デジタル会員証はいつでもどこでも利用できるため、特典の受け取りもスムーズになります。
さらに、デジタル会員証を利用することで、アプリ内でキャンペーン情報の受信が簡単になります。企業からのお知らせやイベント情報などもスマートフォンに通知されるため、最新の情報を手軽に受け取ることができます。
このようにデジタル会員証は、紙のポイントカードよりもお得感があります。
デジタル会員証には、会員情報が紐づけられているため、アプリ内で個人情報を簡単に管理することができます。例えば、住所や電話番号の変更、ポイントの確認などが、いつでも自分で簡単に行えます。
さらにデジタル会員証は、スマートフォンのセキュリティ機能を利用することで、紛失や盗難などのリスクを軽減することができます。また、デジタル会員証は紛失や盗難の場合でも、アプリ内からの一時停止や削除が簡単にできるため、利用者の安心感を高めます。
次にデジタル会員証の導入で、企業、店舗側にどんなメリットがあるか考えてみましょう。
以下のようなメリットが挙げられます。
顧客データの収集や分析が容易になる
売上の増加が期待できる
店舗と顧客とのコミュニケーションをスムーズにできる
コスト削減ができる
デジタル会員証の導入で、会員情報や利用履歴などの顧客データを一元管理できます。
購買履歴や嗜好などがデータ化されるため、より効率的なマーケティング施策が立てられます。
例えば、デジタル会員証にはポイントや利用の履歴が記録されており、ここから以下のような貴重なデータを収集できます。
人気のある商品やサービス
どのような顧客がどのような商品やサービスを購入しているか
顧客の属性
このようにして得られたユーザーインサイトを、顧客に合わせた効果的なマーケティング施策に活用できます。
デジタル会員証を導入することで、ポイント付与やキャッシュバックなどの仕組みを組み込むことができ、顧客の購買意欲を高めたり、リピーターを増やすことができる。
また、得られたデータをもとに顧客の嗜好を把握し、それに合わせた商品やサービスの提供が可能になります。こうして、ロイヤルカスタマーを育てることができ、売上アップが期待できます。
デジタル会員証アプリ導入で、メールやPush通知を活用して、キャンペーンやプロモーションなどの情報を効果的に飛ばせます。これにより、企業側は費用や手間をかけることなく、顧客にアプローチすることが可能になります。
さらに、顧客に対して個別にアプローチできるため、より効果的なプロモーションが期待できます。
データ化された顧客情報を活用することで、的確なターゲティング広告が行えるため、広告効果が高くなります。
従来の会員カードの場合、カードの発行や保管、POSシステムの導入にかかるコストがかかっていました。しかし、デジタル会員証を導入することで、これらのコストを削減することができます。
また、紙媒体のカードと違ってデジタル会員証は紛失や破損の心配がありません。これにより、カードの再発行や交換の手間も省くことができます。
デジタル会員証には多くのメリットがありますが、導入に際してはデメリットも考慮する必要があります。以下に、デジタル会員証導入のデメリットをいくつか挙げてみます。
デジタル会員証はスマートフォン上で表示されるため、スマートフォンを持っていない顧客は利用できません。スマートフォンを持っていない年配の方や、スマートフォンを持ちたくない方など、一部の顧客には不便を強いることになります。
デジタル会員証を導入するには、専用のシステムを導入する必要があります。そのため、システムの導入費用やメンテナンス費用が必要になります。また、専用のシステムを運用するためには、スタッフの育成や人件費も必要になります。
デジタル会員証はスマートフォン上で表示されますが、ネットワークの環境によっては利用できない場合があります。電波が届かない場所や、ネットワークにアクセスできない場所では利用することができません。
また、アクセスが集中していてお客さんがレジでアプリを開けなかったり、エラーでポイントが消えてしまうなどの苦情も寄せられています。
スマートフォンを使った操作が苦手な顧客にとって、デジタル会員証の利用が難しい場合があります。デジタル会員証はスマートフォン上で表示されるため、スマートフォンの操作に慣れていない人、特に年配者には使いにくく感じる場合があります。
デジタル会員証アプリは以下の方法で作ることができます。
アプリ作成プラットフォーム
LINEミニアプリ
フルスクラッチで開発
アプリ作成プラットフォームとは、ビジネス向けアプリをノーコードで簡単に作成できるクラウドサービスのことです。
特別なプログラミング知識が必要なく、ドラッグアンドドロップで、簡単にアプリを作成できます。
デジタル会員証アプリのように、比較的簡単なアプリを作成する場合には、低コストで作成できます。
主に店舗向けアプリの制作プラットフォームには以下のようなサービスがあります。
これらの各プラットフォームには、機能や料金プラン、利用者のレビューなどが異なるので、自社のニーズにあったものを選択できます。
しかし、プラットフォームでのアプリ作成は、機能やデザインの選択肢が少なく、データの活用もプラットフォームに依存してる場合もあります。
LINEは、日本で圧倒的なシェアを持っており、ビジネスでも積極的に活用されています。LINEのビジネスアカウントを利用することで、デジタル会員証アプリを作成することができます。
具体的には、LINEのMessaging APIを利用して、LINE上で動作するデジタル会員証アプリを作成できます。
Messaging APIは、JavaScriptやPythonなどのプログラミング言語を用いて、LINEとの通信を行うことができるAPIであり、比較的簡単にLINEアプリを作成できます。
LINEアプリでデジタル会員証を作成する場合、ユーザーの情報を取得するためにLINE Login機能を利用します。LINE Loginを導入することで、LINEアカウントを持つユーザーがアプリにログインすることができ、ユーザー情報の取得や、LINE Messaging APIを利用したメッセージの送信などが可能になります。
フルスクラッチ開発とは、ゼロから開発する方法です。デジタル会員証をフルスクラッチで開発する場合、プログラミングの知識を持ったエンジニアが必要になります。
デジタル会員証をフルスクラッチで開発するメリットは、完全に独自性のあるシステムを構築できることです。
自社のビジネスやサービスに合わせたデジタル会員証を作ることができ、自由度が非常に高いため、多様な機能やデザインを取り入れることができます。
デジタル会員証をフルスクラッチで開発する場合は、開発コストや時間がかかるというデメリットもあります。アプリ作成プラットフォームや既存のアプリを利用する場合は、短期間でアプリを開発することができますが、フルスクラッチで開発する場合は、アプリの開発に多くの時間や費用を費やす必要があります。
自社に開発リソースがない場合、開発会社にアプリの開発や運用・保守を依頼する流れになります。
会員証アプリ開発を依頼する場合、できるだけ予算を抑えるために、クラウドプラットフォームを利用したり、LINEをカスタマイズすることがおすすめです。
また、人件費の安いベトナムなど、海外の開発会社にアウトソーシングして、コストを抑えて開発を行う企業も多くなっています。
このように海外の拠点でIT開発を行うことをオフショア開発といいます。
オフショア開発を行うことで、マーケティングに必要なPOSレジやデジタルサイネージなど他のソリューションと組み合わせた、自由度の高いプロダクトを、比較的コストを下げて開発することができます。
デジタル会員証を導入する際には、以下の3つのポイントに注意する必要があります。
利用するシステムの選定
利用規約の作成
ユーザーのプライバシー保護
デジタル会員証のシステムは様々あり、自社のニーズに合ったシステムを選ぶことが重要です。システムの機能やカスタマイズ性、セキュリティなどを比較検討し、導入前にデモンストレーションやトライアルを行うことが望ましいです。
デジタル会員証を導入する場合、利用規約を作成し、ユーザーに提示する必要があります。利用規約には、個人情報の取り扱いや利用条件、ポイントやクーポンの利用方法、返品・キャンセルについての規定などを明確にしておくことが大切です。
デジタル会員証を利用する際には、ユーザーのプライバシー保護にも配慮する必要があります。個人情報の取り扱いには十分に注意し、セキュリティの強化や情報漏えい対策を徹底することが必要です。また、利用規約に明確なプライバシーポリシーを掲載することも重要です。
デジタル会員証は、業務のペーパーレス化、効率化を図る上で非常に有効なだけでなく、得られたデータをマーケティングに活用できます。
デジタル会員証アプリ導入で、ポイントやクーポンを効果的に付与し、リピート客の創出、売り上げの向上に期待できます。
弊社Rabiloo(ラビロー)は、店舗むけのアプリ制作を得意としています。
集客アップに課題を抱えている小売業界のニーズにお応えする、デジタル会員証をオーダーメイドで作成します。
デジタルサイネージ
POSレジ
予約システム
AIカメラ
ヒートマップ
など、顧客のデータと連携したソリューションをワンストップで提供しています。
企業様のニーズに合わせて、LINEアプリをカスタマイズしたスモール開発ももちろん可能です。
店舗の集客に課題を抱えている企業様、ぜひお気軽に弊社までご相談ください。
共に課題を考え、実際に効果の出た施策をご提案いたします。
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