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総務省の調査によると、令和3年の時点で日本企業の70.4%がクラウドサービスを利用しており、そのうちの88.2%がクラウドサービスには「効果があった」と答えています。
クラウドサービスは、今や完全に時代の流れとなっていますが、導入していない企業も全体の3割ほどに上ります。(参照:「令和3年通信利用動向調査」総務省)
ところで、クラウドサービスとはそもそも何でしょうか?
意外とわかっているようで、何となくぼんやりとした理解の方も多いかもしれません。
そこでこの記事では、あらためてクラウドサービスについてスッキリ理解し、
クラウドサービスの基礎知識
クラウドサービス導入のメリット・デメリット
を整理していきたいと思います。
「クラウド(cloud)」とは、英語で「雲」のことですが、ITの世界でいう「クラウド」とは、クラウドコンピューティングのことを指します。
クラウドコンピューティングとは、インターネットを利用してサーバーに保存してあるデータ、アプリケーション、ファイルなどにどこからでもアクセスできるコンピューティング技術の一種です。
これにより、ユーザーは自分のパソコンやスマホにソフトウェアやデータをインストールする必要がなく、いつでもアクセスできます。
クラウドは一般的にインターネットを利用したクラウドコンピューティングを表す概念として理解されています。
もともと英語のクラウド(cloud)とは、空に浮かんだ「雲」のことですが、かつてシステムエンジニアがコンピュータ機器のインターネット接続を図で表すのに「雲」の絵を用いて表現したことがクラウドコンピューティングの由来だとも言われています。(語源については諸説あり)
以来、「雲」はインターネットのメタファー(比喩)として定着するようになっています。
クラウドサービスとは、インターネットを介してソフトウェアやサーバー環境を提供するサービスのことです。
従来のシステム運用では、会社がサーバー環境やハードウェアを用意し、端末ごとにソフトウェアをインストールしなければなりませんでした。こうしたシステムの運用形態を「オンプレミス」といいます。
一方、クラウドサービスでは、提供会社がインフラ環境やソフトウェアを所有し、ユーザーはインターネットさえあれば、端末や場所を問わずソフトウェアやサーバー環境が利用できます。
特にコロナ禍で、リモートワークが進められていく中、クラウドサービスの利用は加速していきました。
クラウドサービスはわたしたちの身近なところで活躍しています。
クラウドサービスの具体例を挙げると、
Webメール(Gmail、Yahooメールなど)
SNS(Twitter、Facebookなど)
オンラインストレージ(iCloud、Dropbox、Googleドキュメントなど)
MicrosoftやGoogleのオンラインソフトウェア
AWS(Amazon Web Service)
など、わたしたちが普段当たり前のように使っているWebサービスのほとんどがクラウドで提供されていることに気づきます。
クラウドサービスは、大きく3つの種類に分けられます。
SaaS
PaaS
IaaS
それぞれの特徴を簡単に見ていきましょう
SaaSは、Software as a Serviceの略で「サース」または「サーズ」と読みます。
SaaSは、もともとパッケージソフトとして市販されていたものを、クラウド上で提供するサービスです。
会員登録をすれば、無料、またはサブスクリプションで利用できるようになります。
実は、わたしたちが身近に利用しているサービスの多くがSaaSです。
具体例としては、以下のようなサービスがあります。
Gmail
Googleカレンダー
Googleドキュメント
Office365
Slack
ChatWork
Zoom
Salesforce
kintone
その他、企業が使う、営業管理ツールや勤怠管理システム、予約管理システムなどもすべてSaaSで提供されているため、ゼロイチでスクラッチ開発するよりも簡単に素早く、しかも安価で導入できることから、SaaSの利用は今では非常に一般的になっています。
Saasについて詳しくは以下の記事をご覧ください。
▶️SaaSとは何かわかりやすく説明!活用のメリットと注意点とは?
PaaSは、Plarform as a Serviceの略で、「パース」と読みます。
PaaSはアプリケーションを開発するための必要な環境をクラウドで提供するサービスです。
ハードウェア構成やOS、データベースなどのインストール、ネットワークの設定などがすでに整った環境を提供します。
代表的なPaaSの例は
Azure(Microsoft)
GCP(Google Cloud Platform)
Elastic Beanstalk(AWS)
Heroku(Salesforce)
などが挙げられます。
IaaSは、Infrastructure as a Service の略で、「イアース」もしくは「アイアース」と読みます。
IaaSは、サーバー、OSなど、ネットワークなどの稼働に必要なインフラをクラウドで提供するサービスです。
先程のPaaSは開発に必要な土地と環境が整っていましたが、IaaSはシステムが稼働するために必要な土地だけを貸し出すイメージです。
インフラの細かい設定を自由に行うことができます。
IaaSの代表的な例は、
AWS(Amazon Web Service)
さくらインターネットグループ
などが挙げられます。
特にAWSは、IaaS市場の45%、約半分のシェアを占めています。
記事の冒頭で取り上げたようにクラウドサービスは、全体の7割以上の企業で導入されていて、約9割の企業がメリットを感じています。
クラウドサービスには具体的に次のようなメリットがあります。
データの保存や共有が楽
端末を選ばず利用できる
導入コストが安い
運用や保守も任せられる
クラウドサービスで利用するソフトウェアは、編集時に内容が自動的に保存されます。
また、データを保存するストレージサービスを利用することでファイルのバックアップを取ることができます。
クラウド上に保存されたドキュメントや進捗管理は、チームメンバーと共有でき、共同編集することができます。
更新はリアルタイムで確認できます。
クラウドのソフトウェアは、ログインさえすれば、端末に依存せずにどこからでも使えます。
インターネット環境があれば、外出先やテレワークでもアクセスしてデータを共有することが可能です。
データやソフトウェアはクラウド上でバックアップが常に取れている状態になるので、仮にパソコンが壊れてしまっても問題がありません。
クラウドサービスは、災害時の備えとしても活用できます。
企業で使う業務効率化ソフトの多くは、SaaSで提供されています。
クラウドのソフトウェアは無料・低額プランから試すことができ、従量課金制になっているため、1から開発するよりも導入コストが大幅に下げられます。また、導入の手間もかかりません。
クラウドでインフラを整備すれば自社で、サーバーの設置も行わずに済むため、設置場所やハードウェア導入のコストが抑えられます。
クラウドサービスで利用するソフトウェアやサーバーは、メンテナンスやセキュリティアップデートも自動で行ってくれます。
業界に特化したSaaSは、法改正に伴うバージョンアップやOSのバージョンアップに伴うアップデートなどにも素早く対応します。
クラウドサービスはメリットが多いですが、ユーザーの需要に全て応えられるわけではありません。
クラウドサービスのデメリットも見ておきましょう。
カスタマイズが難しい
インターネット環境に依存する
クラウドで提供されているソフトウェアは、汎用的に開発されているため、自社に必要な機能が備わっていなかったり、使わない機能があったりすることがあります。
その場合、自由にカスタマイズしたり仕様変更したりすることは難しくなります。
クラウドサービスが安定して受けられるかどうかは、インターネットの接続状況に依存します。
悪天候や、大人数でインターネットにアクセスしてWi-Fiが繋がりにくい、などの状況では安定して使用することができません。
また、SaaS提供会社のサーバーがあまり強くないと、勤怠管理システムなど、利用者のアクセスが集中する時間帯に重くなる、などの問題が生じます。
企業における代表的なクラウドサービス活用事例を2つだけ取り上げたいと思います。
AWSはAmazon社が提供するウェブサービスです。AWSのサービスの規模と種類は多岐にわたるため、ひとことでは説明できません。AWSは企業向けのクラウドサービスの中で、世界中で最も広く活用されています。
特にインフラ構築に用いられる、サーバーやストレージ、データベースなどシステム開発環境を構築するための豊富なサービスが利用可能です。
AWSは非常に多くのIT企業において、アプリ・ソフトウェア開発環境の構築を行うために活用されています。
キントーンはサイボウズ社が提供する、ノンプログラミングで業務アプリが作れるクラウドサービスです。20,000社以上の企業で導入されています。
顧客案件管理、交通費申請、日報やプロジェクト管理など、業務を効率化するためのアプリのテンプレートが100以上用意されています。
これらを自社の業務に合わせてカスタマイズして使うことができます。
料金はユーザー数に応じた月額で利用することができます。
この記事では、クラウドサービスについて簡単にご紹介しました。
クラウドとはクラウドコンピューティングのことで、インターネットを介してソフトウェアやサーバー環境を提供するサービスのことを「クラウドサービス」といいます。
クラウドサービスはアナログの非効率で無駄の多い作業から開放してくれ、リソースをよりコアな業務に集中させることができます。
Rabiloo(ラビロー)は、AWSやAzure、GCPなどの主要クラウドプラットフォームに対応し、企業のニーズに合わせた最適なソリューションを提供します。
セキュリティ対策やコスト最適化、運用効率化まで一貫してサポートし、クライアントのデジタルトランスフォーメーションを加速させます。
経験豊富な専門家チームが、複雑なクラウド環境の設計から移行、保守までをトータルにサポートします。
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