Share
Web開発やアプリ開発の現場では、よく「API」という言葉が飛び交っています。エンジニアにとって「API」は常識的な技術ですが、ITに詳しくない人間にとっては「APIって何?」というのが正直なところです。
多くの企業は、自社でWebサービスを開発したり、開発を外注したりする機会が多くなっていますので、非エンジニアでもAPI技術についてある程度知っておくことは有益です。
そこで今回の記事では、APIとは何か、どんなメリットがあるのか、APIについてよく知らない方に向けて簡単に説明したいと思います。ぜひ参考にしてください。
APIは「Application Programming Interface(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)」の略です。
APIとは、あるプログラム(アプリケーション)が別のプログラムと連携してデータをやり取りするための手段のことです。わかりやすく言えば、APIとは、ある企業が持っているデータや機能を他の企業や開発者が利用するための「窓口」のようなものです。
例えば、スマートフォンアプリを開発していて、そのアプリで天気情報を表示できるようにしたいとします。その場合、天気に関する情報は別の企業が提供する天気情報APIを使って取得することができます。APIを使うことで、天気予報サービスのデータを自分が作りたいアプリで扱うことができます。
このように、APIを使うことで開発者は外部のデータや機能を簡単に利用することができます。また、企業はAPIを公開することで外部からのアクセスを受けたり、利用者を増やしたりすることができます。
APIのほとんどがインターネット上で提供されるWeb APIです。
専門的な話になりますが、Web APIは、HTTPプロトコル(Web上での情報のやりとりに使われる、データ通信において、送受信するデータのフォーマットや手順、エラー処理などの決まり事を定めた規約)を使用してデータをやりとりすることができ、多くの場合はJSONやXML形式でデータを表現します。
APIは、特定の要求(例えば、データの取得、更新、削除など)を送信すると、応答としてデータを返します。これをエンジニアの表現で「APIを叩く」と言います。
APIは、公開されたプログラミングインターフェースを使用することによって、開発者が他のアプリケーションの機能を利用することができます。これにより、開発者は他のアプリケーションの機能を自分のアプリケーションに組み込むことができます。しかし、内部コードやロジックは非公開で、企業は独自開発した技術を漏らすことなくサービスだけを提供できます。
APIには様々な種類があります。以下はよく使われるAPIの例です。
REST API: Representational State Transfer(REST)の設計原則に基づいたAPIで、Webサービスとの通信によく使われます。
SOAP API: Simple Object Access Protocol(SOAP)に基づいたAPIで、Webサービスとの通信に使われます。
GraphQL API: グラフデータベースを操作するためのAPIで、REST APIよりも複雑なデータ要求を効率的に行えます。
Streaming API: リアルタイムデータストリームを提供するAPIで、例えばソーシャルメディアサイトなどでのタイムラインの更新情報などをリアルタイムで取得するために使われます。
これらは一例で、使用するAPIの種類は、アプリケーションの要件や使用目的に応じて選択する必要があります。
開発でAPIを使うと、以下のようなメリットがあります。
開発の効率化・コストの削減
アプリケーション・サービスの質が向上
ユーザビリティの向上
セキュリティの向上
開発者はAPIと連携することで、外部サービスで公開されている機能やデータを手に入れ、再利用することができます。これにより、同じ機能を1から作る必要がなくなるため、開発のスピードが大幅に向上します。
開発工程を減らすことでコストも大幅に削減できます。
APIの多くは無料で利用可能です。
APIを使用することで、異なるアプリケーションやサービスを統合することができます。例えば、Googleアカウントで認証できるようにしたり、サイト内にGoogleマップや検索機能をつけたりすることが簡単にできます。
このように外部のサービスと連携することで、ユーザーがアプリケーション内で直接アクセスできるような、新しい機能やサービスを提供することができます。
APIを使うと顧客満足度が向上します。例えば、APIを使ってログイン機能を実装することで、複数のアプリケーションやサービスとの連携が可能になります。これにより、ユーザーが一つのSNSアカウントを使って複数のアプリケーションやサービスにアクセスすることができます。
APIを使うことにより、GoogleやFacebookなど外部の認証システムを使ってログイン認証を行うことができます。これにより、セキュリティのレベルが向上します。さらに、APIを使って実装された認証システムは、攻撃者からの不正アクセスを防ぐために安全な認証方法や暗号化などのセキュリティ対策を採用することができます。
ではここでAPIを活用した具体的な事例をいくつか紹介しましょう。
ユーザーはAPIを使って、FacebookやTwitterなどのSNSアカウントとアプリケーションを連携できます。これにより、ユーザーは簡単にアカウントを作成し、アプリケーションとSNSアカウントの間で情報を共有できます。
▶︎Twitterによるログイン【SNS認証】を実装する方法を簡単に解説
多くのWebサイトやモバイルアプリケーションはAPIを使ってユーザー認証を実装しています。APIを使ってログイン認証を実装することで、ユーザーのアカウント管理がシンプルになります。ユーザーは一つのアカウントを管理することで、複数のアプリケーションやサービスにアクセスすることができます。
Googleアカウント
▶︎Facebookソーシャルログインを実装してみた【手順を解説】
APIを使って地図サービスを活用することもできます。これにより、アプリケーションは現在地や目的地などの情報を取得することができます。
Googleマップ
MapFan
APIを使って支払いシステムを実装することもできます。これにより、ユーザーはアプリケーションから簡単にオンライン決済ができます。
Stripe
PayPay.
LINE Pay.
▶︎【ここがすごい】オンライン決済Stripeとは?初心者向けにわかりやすく解説
APIを使って外部のデータソースからデータを取得し、アプリケーション内で分析することもできます。
例えば、マーケティング分析アプリケーションがAPIを使って、Google AnalyticsやFacebook Insightsなどの外部のデータソースからデータを取得します。このデータを分析することで、アプリケーションはマーケティングキャンペーンの成功率やターゲット顧客の分布などを確認することができます。これにより、マーケターはより正確なマーケティング戦略を立てることができます。
▶︎【悪用厳禁】Instagramからデータを無制限にクロールする方法
APIを使う上で以下のようなデメリットがあります
APIは外部のサーバーにリクエストを送信するため、リクエストとレスポンスのタイムラグが生じる可能性があります。これは、アプリケーションのパフォーマンスに影響を及ぼす場合があります。
APIは良くも悪くも外部のサービスに依存します。提供先が仕様を変更したり、APIの提供を中止したりすると、アプリケーションの不具合や最悪の場合使えなくなってしまう可能性もあります。
また、API提供側のサーバーに障害が起きると使えなくなってしまうと言うリスクもあります。
では、企業が独自に開発した技術を、なぜ他社が自由に使えるように公開するのでしょうか。
これにはいくつかの理由があります。
APIを公開することで、パートナー企業との新しいビジネスチャンスが生まれます。パートナー企業は、APIを使って独自のサービスを開発することができます。これにより、APIを提供した企業の製品やサービスも拡大し、売上も伸びることが期待できます。
APIは中のロジックは非公開でブラックボックスのまま提供されています。そのため、他社から技術を真似される心配はありません。公開したAPIの利用を有料で提供することもできます。これにより、新しい収益源を開拓することも可能になります。
APIを公開することで、企業のブランド名が広く知られるようになり、新しい顧客やビジネスチャンスを引き寄せることができます。
さらに、企業のテクノロジーや技術力をアピールすることができ、開発者やパートナー企業からの注目を引くことができます。
「API」とは、ソフトウェアの機能を一部公開して、他のソフトウェアが連携して同じ機能を使えるようにする仕組みのことです。
「API連携」することにより、開発者は他の企業が公開した技術を2次利用することができるため、効率的に開発でき、コストを下げることができます。
また、ユーザーにとってはサービスの利便性が上がり、セキュリティも向上します。
弊社Rabilooは、効率の良い開発プロセスで、低コストのアプリ開発を請け負うソフトウェア開発企業です。ベトナム理工系大学出身のエンジニアリソースを活用したオフショア開発を提供しています。
開発依頼、エンジニア提供のお見積もり・ご相談はお気軽にお寄せください。迅速に対応いたします。
Share