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失敗しない パッケージシステム導入 【カスタマイズはおすすめしない】

2024/10/21
2021/11/16
失敗しない パッケージシステム導入 【カスタマイズはおすすめしない】

業務システムの入れ替え、もしくは新規導入を検討中であれば、パッケージ導入という選択肢を検討されているかもしれません。

 パッケージ導入とは、汎用に開発された市販のパッケージシステムを導入することで、業務システムを1から開発するよりも早く安く導入できます。

 しかし、膨大な数の似たような選択肢の中から自社の業務にぴったりのシステムを選定するのは至難の業です。

 そこで本記事では、

  • パッケージシステムとは何か
  • 自社業務に最適なパッケージが見つからないときの考え方
  • パッケージソフトウェアをカスタマイズすることの落とし穴

この3点について解説いたします。

パッケージシステム導入をご検討の際、ご参考にしていただければ幸いです。 

パッケージシステムとは何か

パッケージシステムとはなにか

パッケージシステムとは、各業務でよく使われている機能を汎用的に開発してパッケージとしてまとめて販売したものです。例えば、勤怠管理・会計管理・生産管理・人事給与などの業務で必要とされる基本的な機能はたいていどの会社でも同じです。

さらに、製造業・配送業・ホテル業・飲食業・介護業など各業種によりフィットした勤怠管理システム・人事給与システムなどのパッケージも数多く販売されています。

業種をさらにニッチなものに絞っても、たいていどんなジャンルの業種においても汎用に開発されたパッケージシステムを見つけることができます。

パッケージ販売とSaaS

パッケージシステムは買い切りの販売で提供されます。自社のシステムにインストールして運用します。オンプレミスという、自社のサーバーにインストールして運用する方法もあります。

一方、システムを販売するのではなくて、クラウドで月額利用するSaaS(サース)という形式でもパッケージシステムは提供されています。

パッケージシステムのメリット・デメリット

パッケージシステムのメリットは、「早く」「安く」導入できることです。 

一方、パッケージシステムのデメリットは、パッケージシステムは自社業務に完全に特化したシステムではない、という点です。

例えで考えてみましょう。

わたしたちは新しい服を買う時、普通はショップで既製品の服を買います。既製品の服は一般の人の体型や用途に合わせて作られているので、たいてい誰でも着ることができます。 そのほうが、圧倒的に早く、安く購入できるからです。その場で選んで買って帰ることができます。

一方、オーダーメイドで1から採寸して服を仕立てることもできます。

その場合、価格は高くなり、時間もかかります。しかし、自分の体型にピッタリ合ったサイズ、自分の好みの色やデザインの服に仕上げることができます

ITシステムの導入もこれと同じ考え方をしますが、服を選ぶように簡単には行きません。

1からシステムを開発することを「スクラッチ開発」といいます。スクラッチ開発をすれば、自社業務に特化した機能を自由に設計して組み込むことができます。しかし、スクラッチ開発には多額の費用と労力と時間がかかります。

そのため、業務に標準化したよく使われる機能だけを盛り込んだ、既製品のパッケージを見つけてくれば、「早く」「安く」システムを導入することができます。

しかし、焦りは禁物です。パッケージシステムの選定は十分な時間をかけて慎重に行なわなければなりません。自社の業務にいちばん適合したパッケージ、自社業務に不要な機能を排除した必要最低限の機能だけに絞り、できるだけ価格を抑えたパッケージを選択します。

自社業務に最適なパッケージシステムが見つからないときの考え方

オーダーメイドでスクラッチ開発

では、自社業務に最適なパッケージシステムがなかなか見つからない場合、どのように考えればよいでしょうか。

以下の3つの選択肢があります。

  1. パッケージシステムにカスタマイズを加える
  2. 自社の業務を客観的に見直し、業務をパッケージに合わせる
  3. スクラッチ開発を行う

ではそれぞれ解説します。

①パッケージシステムにカスタマイズを加える

カスタマイズとは既製品であるパッケージシステムに対して、自社の業務に合わせて一部だけ付け足し開発することです。

カスタマイズはパッケージ導入の現場でよく行われている方法で、一見すると簡単そうに思えるかもしれませんが、この方法には実は大きな落とし穴が潜んでいます。この点については後ほど解説します。

②自社の業務を客観的に見直し、業務をパッケージに合わせる

この方法は、パッケージの標準に合わせて自社の「業務」の方を変えてしまう、という全く逆の発想です。

パッケージシステムは業務の標準機能を備えています。パッケージシステム選定の際に、自社業務があまりにも標準と合わないことに気づくなら、業務を見直す良い機会かもしれません。

 一般的に会社の業務は、年月ととともに現場に合わせて最適化されていきます。現場サイドでは自分たちのやり方が一番効率的で、最善だ確信しているでしょう。しかし、会社全体で見ると、業務をより複雑に、より非効率にしていることもあるのです。

業務を標準化し、すべてパッケージに合わせてしまうことにも弊害があります。

自社の独自性や優位性が失われる恐れがあり、他社との差別化もブランディングの確立も弱くなってしまいます。

それで、パッケージの標準に合わせて自社の「業務」の方を変える際、「この部分は譲れない」「ここはもっと業務をシンプルし改善できる」といった線引を行ってパッケージを選別していくことが必要です。

そのうえで、自社業務を客観的に見直し、業務をパッケージに合わせて標準化できないか検討することができます。

 ③フルスクラッチで1から開発する

自社業務に特化した最適なパッケージシステムがどうしても見つからないこともあります。

先程の服の例えで言うと、仮に自分の体型が既製品のサイズに合わない場合、あるいは市販されていない特殊な衣装が欲しい場合は、特注でオーダーメイドするしかありません。

パッケージシステムの場合も同様で、自社業務の独自性が高い場合はスクラッチ開発を行なうのが最善の選択かもしれません。カスタマイズでは制限が多くコストも割高になるため、カスタマイズ箇所が多いのであれば、わざわざパッケージを利用するメリットがありません。

最初からスクラッチ開発を行ったほうが自由度が高く、自社業務に特化した納得のシステム導入が行えます。

 

関連記事:スクラッチ開発とは?パッケージ開発との違いをわかりやすく解説!

パッケージソフトウェアをカスタマイズすることの落とし穴

パッケージソフトウェアをカスタマイズすることの落とし穴

最後に、パッケージソフトウェアをカスタマイズすることの落とし穴について考えてみましょう。 

先程取り上げたように、「すでに出来上がっているパッケージシステムにカスタマイズを少し加える」のが、いちばん手っ取り早く自社業務に合わせたシステムを導入する方法です。

しかし、パッケージのカスタマイズには多くのデメリットがあります。

コストと時間が掛かる

カスタマイズには思った以上にコストが掛かります。カスタマイズ箇所が多くなれば、パッケージ本体の価格を軽く上回ることもあります。また、一部を新たに開発することになるので、導入までに時間もかかります

そうなると、パッケージを導入する意味がそもそもなくなってしまいます。自社独自の業務が多い場合はスクラッチ開発を検討したほうが良いでしょう。

保守費用がかかる

カスタマイズは導入時だけではなく、運用フェーズにおいても費用がかかり続けます。パッケージを導入後は年間の保守費用がかかりますが、カスタマイズした分だけ費用がさらに上乗せになります。

さらに、パッケージシステムは定期的なバージョンアップが無償で行われますが、カスタマイズ機能は補償の対象外になります。

カスタマイズ部分の仕様変更や受け入れテストは自社で負担しなければなりません。

システム障害が生じやすくなる

そもそもパッケージはそれ自体で完成したシステムです。そこに手を加えて、機能を増築することになるため、土台の貧弱な土地に家を建てるような不安定さがあります。

パッケージ本体との整合性が取れずに、導入後にバグが生じることがあります。

実際のところパッケージ導入後の不具合の大半は、カスタマイズした部分で生じると言われています。

まとめ

パッケージシステムは、費用を抑え、早く最新のシステムを導入するのに最適な選択肢です。

パッケージシステム導入はノンカスタマイズで行なうのが最善です。

あらゆる業務に特化したパッケージが各業務ごとに何十種類も出ているため、パッケージの選択には十分な時間を確保して行ってください。

場合によっては、自社の業務を客観的に見直し、標準化することによって、パッケージに業務を合わせることも考慮できます。

自社独自の業務が多く、選択肢がないのであればスクラッチ開発をしたほうが、長い目で見て運用がしやすいでしょう。

オフショア開発を上手に活用するなら、日本のベンダー企業の約半分のコストで開発できます。

弊社ラビロー(Rabiloo)はベトナム・ハノイに拠点を置く、ソフトウェア開発企業です。これまで日本企業のニッチな業務にマッチした業務システム、アプリケーションの開発プロジェクトに成功してきました。 

 

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Kakimoto Kota
Rabilooのオウンドメディアで制作ディレクターを担当。日越翻訳、記事、動画、SNS、コンテンツの戦略立案から制作まで行う。2015年よりベトナム・ハノイ在住
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