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スマホアプリの開発を発注する際に、開発する言語について知っておくことは重要です。なぜなら、使用する言語によって、開発のスピードやコストが大きく変わってくるからです。さらに、開発に使用される言語は、完成後のアプリの性能やリリース後のメンテナンスやカスタマイズのしやすさにも関わってきます。
では、 iOSアプリを開発するのに最適な言語は何でしょうか。Androidアプリを開発する場合は?
一つの言語で同時にiOSとAndroidを開発する方法は?
この記事では、
そもそもアプリにはどんな種類があるのか
それぞれのアプリ開発に適した言語
開発言語の選定で考慮すべきこと
このようなテーマで初心者の方にもわかりやすく解説していきます。アプリ開発準備の前段階として参考にしていただければ幸いです。
スマホアプリの開発には、用途やプラットフォームに応じてさまざまなプログラミング言語が使われます。
iOSアプリでは、AppleのSwiftやObjective-Cが主流で、直感的なUIや高速なパフォーマンスが特徴です。Androidアプリでは、Google推奨のKotlinやJavaがよく使われ、柔軟性と互換性の高さが魅力です。
さらに、iOSとAndroidの両方で動作するクロスプラットフォームアプリには、React NativeやFlutterなどのフレームワークを使い、JavaScriptやDartといった言語が利用されます。
関連記事:一石二鳥のハイブリッドアプリ開発とは?
まず、Apple社のiPhone上で動作する、iOSアプリ開発に使われる言語について解説します。
iPhoneの性能を発揮し、高機能のアプリを作るには、 iOS専用の言語を使ってネイティブアプリ開発をすることが最適解です。
iOSアプリ開発に使用されるプログラミング言語は以下の2つです。
Swift
Objective-C
Swift(スウィフト)は主にiPhoneやiPad、Macのアプリを開発するための言語です。Apple社が2014年に発表したオープンソースのプログラミング言語で、無料で使うことができます。
Swiftはコードが読みやすく書きやすい「モダンな」言語で、動作も早いという特徴があります。
Objective-C(オブジェクティブシー)はSwift以前に、アップル製品の開発のために用いられていた言語です。
C言語をベースに作られた言語で、豊富なライブラリがあり、開発にはとても便利な言語です。しかし、コードの記述が複雑で難しく、初心者には習得が困難な言語とされています。この欠点を解消するために登場したのが、文法がシンプルでわかりやすく動作も早いSwiftです。今ではほとんどのiPhoneアプリの開発には、Swiftが用いられています。
Objective-Cは今でもサポートされています。
次にApple社以外のスマホ上で動作する、Androidアプリ開発に用いられる言語に注目しましょう。AndroidはGoogleが開発したオープンソースのモバイルオペレーティングシステム(OS)で、主にApple製品以外のスマートフォンやタブレットで使われています。多くのメーカーが採用しており、カスタマイズ性が高いのが特徴です。一方、iOSはAppleが開発した独自のOSで、iPhoneやiPad専用です。
日本市場でAndroidが搭載されたスマホの例として、以下のモデルがあります。
Androidアプリ開発で使用される言語は主に以下の2つです。
Java
Kotlin
Java(ジャバ)は Androidアプリ開発でよく使用されている言語です。
Javaは世界で最もポピュラーなプログラミング言語といわれています。JavaはOSへの依存度が低く、複数のOSで使えるのが特徴です。
Javaは「オブジェクト指向言語」、つまり、小さなパーツを組み合わせて開発していく言語であるため、大規模開発によく用いられます。JavaはAndroidアプリ開発以外にも、システム開発、家電製品、NASAの火星探査ロボにまで幅広く汎用的に利用されています。セキュリティの高さも信頼されており、銀行や金融関係のシステムにも利用されています。
Kotlin(コトリン)は2011年に登場した比較的あたらしい言語です。Kotlinとは簡単にいうとJavaを進化させた言語で、2017年からAndroidアプリ開発言語として公式にサポートされています。
KotlinもJavaと同じオブジェクト指向言語ですが、Javaよりも簡単にコードが書けるため、近年Androidアプリ開発でよく用いられています。
Webアプリとは、インターネットブラウザ上で動作するアプリケーションのことです。Webアプリはブラウザ経由で動くため、OSに依存せずAndroidやiOSの両方で利用可能です。ユーザーは特定のアプリをインストールする必要がなく、スマホやPCのブラウザからアクセスして利用できます。スマホでの使用では、ネイティブアプリのように動作し、インターフェースもスマホに最適化されています。
ここでは、スマホ上で動作可能なWebアプリ開発に使われる言語についてご紹介します。
Webアプリには、わたしたちユーザーが画面で見る部分(フロントエンド)と、データのやりとりなどを行う見えない部分(バックエンド)の2つの部分に分かれます。
まず、画面に内容を表示させるのに必要な「フロントエンド」に用いられる言語から見ていきましょう。
HTML(エイチ・ティー・エム・エル)とは、「HyperText Markup Language」の略称です。HTMLは厳密に言うと「プログラミング言語」ではなく、文字や画像を表示させたり、文字にリンクをつけることができる「マークアップ言語」です。
例えば、「テキストのこの部分は【タイトル】、この部分は【見出し】である」などWeb上の文章を構造化する役割を担います。
CSS(シー・エス・エス)は、「Cascading Style Sheets」の略称です。CSSもプログラミング言語ではなく、HTMLで表示させる文字の見た目や装飾を行う「スタイルシート言語」です。
たとえば、CSSを記述して、文字に色をつけたり、文字を枠で囲ったり、ボタンをつけたりできます。
JavaScript(ジャバスクリプト)は、HTMLとCSSを関連づけて、Webサイトに動きをつけられるプログラミング言語です。JavaScriptを使って、画像を拡大表示したり、入力フォームを設置したりすることができます。
わたしたちが普段見ているWebサイトの裏側では JavaScriptが動いています。
Webアプリを開発するためには、サーバやデータベースなど、ユーザーから見えない部分の開発を行う必要があります。この見えない部分を「バックエンド」といいます。バックエンドの構築には、以下の言語がよく用いられます。
Java
Python
PHP
Ruby
JavaScript
JavaはAndroidアプリ開発にも用いられますが、汎用性が高いためWebアプリの開発にも用いられます。
Javaはライブラリやフレームワーク(枠組み)が充実しています。世界中の開発者の間で知見が広範囲にシェアされているため、Javaは動作も安定しバグも生じにくく、大企業のシステム開発でもよく用いられています。
Python(パイソン)は、文法がわかりやすく、読み書きしやすい言語です。AI(人工知能)の開発によく用いられます。
学習者に人気の高い言語で、バックエンドの開発でも用いられます。
PHP(ピー・エイチ・ピー)は、Webアプリに特化した言語です。PHPは多くのWeb開発現場で使用されています。コードの記述が簡易で初心者にも学びやすい言語であるため、人気の高い言語です。
世界中のブログサイトで使われているCMSのWordPressはPHPで書かれています。
Ruby(ルビー)は日本人が開発したことで有名な言語です。Rubyは主にWebアプリ開発に使用され、Ruby on Rails(ルビーオンレイルズ)というフレームワークを利用してアプリがスピーディに開発できるのが特徴です。
「クックパッド」や「食べログ」など、Rubyを使って開発されています。
JavaScriptは主にフロントエンド開発に使用される言語ですが、Node.jsという実行環境が登場してからバックエンド開発でも利用できるようになりました。
通常はフロントエンドとバックエンドで別々の言語を使うため、対応できるエンジニアをそれぞれ確保しなければなりません。しかし、JavaScriptを採用すれば、フロントエンドとバックエンドと同じエンジニアで対応できるというメリットがあります。
基本的にモバイルアプリの開発は、iOSとAndroidのそれぞれに対して、ネイティブアプリを開発した方が動作が安定し、機能も制限なく実装できます。しかし工数やコストが単純に2倍かかり、リリースまでの時間もかかります。
この問題を解決するために登場したのが、クロスプラットフォーム開発です。
クロスプラットフォーム開発とは、1つのコードベースで複数のプラットフォーム(例えばiOSとAndroid)のアプリを開発する手法です。React NativeやFlutterなどのフレームワークを使うことで、同じコードを再利用して異なるOS向けにアプリを展開でき、開発コストや時間を削減できます。
iPhone、Android携帯、さらにはWebアプリまで同時に開発ができるため、開発工数もコストも下がり、スピーディに開発が行えます。
代表的なクロスプラットフォーム開発環境には以下のものが挙げられます。
ReactNative(JavaScript)
Flutter(Dart)
Xamarin(C#)
Unity(C#)
ReactNative(リアクトネイティブ)はプログラミング言語の名称ではなく、Facebook(meta)社が提供するJavaScriptのフレームワークです。ReactNativeを使って開発することで、Android・iOS向けのアプリを一つの言語を書くだけで同時に作成できます。
ReactNativeは処理速度も比較的早く、世界の有名企業でも利用されています。
ReactNativeの選択は、webエンジニアでアプリ開発ができるというメリットがあります。
関連記事:React Nativeとは?アプリ開発でReact Nativeを選択する理由
Flutter(フラッター)もプログラミング言語ではなく、Google社が開発した無料で使えるオープンソースのフレームワークです。同じくGoogle社が開発したDart(ダート)というプログラミング言語を使って開発します。
0からソースコードを書いて開発するのではなく、できあがったパーツを組み合わせて作っていくため、効率的にアプリ開発できるのがFlutterの特徴です。
Flutterでは iOSやAndroidのハイブリッドアプリだけでなくWebアプリやデスクトップ向けのアプリへの変換も可能です。
FlutterはReactNativeより新しい技術で、ここ数年注目を集めているクロスプラットフォームです。
Xamarin(ザマリン)は、Microsoft社が提供するプラットフォームです。Windows上でiOSやAndroidやMac OSのアプリを開発することができます。使用する言語はC#です。C#はC言語をわかりやすく改良して作られたプログラミング言語です。
ただ、Microsoft社のXamarinのサポートは2024年5月1日で終了することが発表されています。
Unity(ユニティ)は主に 2Dと3Dゲーム開発に利用されるクロスプラットフォームです。UnityでもC#が言語として使用されます。
Unityは一般的にゲーム以外のハイブリッドアプリ開発には向いていません。
ここまで、アプリ開発に使われる言語について見てきました。
開発言語の選択は、完成したアプリの動作、開発コスト、採用エンジニアのリソース、リリース後の保守のしやすさに大きく関わってきます。
アプリ開発の言語を選定する際に考慮すべき要素をいくつか取り上げてみましょう。
まず、開発するアプリは、Apple製品に特化するのか、あるいは Android製品をだけでいいのか、それとも両方のプラットフォームでリリースしたいのかという条件を考えます。
AndroidかiOS、どちらか一つのプラットフォームで良いのであれば話は単純で、AndroidのみならKotlin、iOSのみならSwift1択になるでしょう。
しかし、恐らくほとんどのケースでアプリ開発と言えば、自ずとAndroidとiOSの両方の市場へのリリースとなるでしょう。
もし開発予算が十分に出せるなら、ネイティブアプリをそれぞれ開発するのがおすすめです。Android、iOSそれぞれ専用の言語で開発した方が、端末のネイティブ機能を最大限に活用でき、動作も早く、OSのアップデートにもすぐに対応できるからです。
しかし、予算の少ないスタートアップ企業や中小企業の場合、ReactNativeやflutterでハイブリッドアプリを開発するのが最善の選択になるでしょう。少ない工数やエンジニアで開発を行え、一つの言語で運用や保守を行えるからです。
ハイブリッドアプリは、ネイティブ言語に変換しながら動作するため、純粋なネイティブアプリと比べて若干の速度低下が生じます。また、VRやカメラ機能などの高度なデバイス機能の活用にも制限があります。特定の高度な機能を実装する場合、その部分だけネイティブ言語でコーディングする必要があるかもしれません。
一方で、開発の効率性とコスト削減を重視する場合、クロスプラットフォーム開発は有効な選択肢となります。特に、ニュースサイト、ポータルサイト、店舗アプリ、会員アプリなど、Webアプリに近い機能で十分なアプリであれば、クロスプラットフォーム開発で十分対応できます。
アプリの方向性が決まったら、次は適切な開発言語に精通したベンダー(開発会社)を選びましょう。ベンダー選定の重要な基準の一つは、目的のアプリ開発に最適な言語での実績です。
例えば、当社Rabilooは、JavaやPythonを得意とし、Webアプリ開発ではPHP、スマートフォンアプリ開発ではReact Nativeで豊富な経験を持っています。
本記事ではアプリ開発に使用される言語について解説しました。
アプリの種類
ネイティブアプリ(スマホアプリ・パソコンアプリ)
webアプリ
ハイブリッドアプリ
iOSアプリを開発するための言語
Swift
Objective-C
Androidアプリを開発するための言語
Java
Kotlin
iOSとAndroidアプリを同時に開発できるクロスプラットフォーム
ReactNative(JavaScript)
Flutter(Dart)
Xamarin(C#)
Unity(C#)
webアプリを開発するための言語
Java
Python
PHP
Ruby
JavaScript
Rabilooは、ReactNativeを使用したクロスプラットフォームによるiOSとAndroidアプリの同時開発を得意としています。
弊社はベトナムを拠点としたオフショア開発を提供するため、日本の開発会社の5割〜7割のコストでアプリ開発が可能です。主にスタートアップや中小企業のビジネスパートナーとして、日本市場向けのアプリ開発の成功実績がございます。
コストを抑えたアプリ開発に興味をお持ちの企業様、ぜひお気軽に弊社までご連絡ください。
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