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日本企業のオフショア開発の利用が一般的になっています。
多くの企業が豊富なリソースを求めて、ベトナムやフィリピンなど海外拠点を構築しています。
エンドユーザー企業が、アプリ開発やシステム開発をオフショア企業に発注することもごく当たり前になってきました。
しかし、海外の開発チームをプロジェクトに使うことには多くの課題も心配されています。
本記事では、オフショア開発が抱える一般的な課題を取り上げ、課題への取り組み方に関して、有益な情報をお届けします。
実際にベトナムでオフショア開発サービスを提供する、Rabiloo(ラビロー)のブログ編集部が業界の知見を交えながら解説します。
オフショア開発を進める際、海外のチームをプロジェクトに組み込むため、コミュニケーションの取り方や、文化の違いが課題となります。
さらに、実際に現地に視察に訪れて、信頼できそうなパートナーを選ぶことも最初の課題になります。
オフショア開発を始める前に、まずオフショア国別の特徴を把握することが課題になります。
一般的にオフショア開発は人件費の安い、中国、ベトナム、インド、フィリピン、ミャンマーなど、アジアの新興国で行われています。
オフショア開発の国を選定するポイントとしては
技術力
エンジニアの豊富さ
コスト削減効果
コミュニケーションは英語か日本語か
国民性
日本からの距離
などがあります。
中国やインドは技術力は高いものの、単価が高騰しています。一方、ミャンマーやバングラデシュなどは単価は安いが、扱える案件の幅が狭いといったデメリットもあります。
ベンダーの選択肢が多く、コストパフォーマンスが高いのはベトナムオフショアで、近年の一番人気になっています。
しかし、プロジェクトによっては英語でコミュニケーションが取れるフィリピンの方がマネジメントしやすいなど、プロジェクトとの相性によって委託国の選択が異なります。
委託国のイメージが掴めたら、次は企業選びになります。
ここで、各ベンダーごとの特徴や強みなどの情報を収集していくことが課題となります。
ベンダーの候補をしぼるにあたって以下のような情報を収集していく必要があります。
日本企業との取引実績
ベンダーの強みと弱み
発注案件分野での開発実績
エンジニアのスキルセット
エンジニアの単価
日本人対応の有無
日本支社がある、もしくは日本企業の子会社か
ブリッジSEは日本語か英語か
担当者との相性
こうした具体的な情報を膨大な数のベンダーの中から収集していくことが課題となります。
社内調整は、オフショア開発に限らず、ITプロジェクト全般において非常に重要かつ骨の折れる課題です。プロジェクトはIT部門だけではなく、全社横断的なチーム編成を行うことが必要です。
特に経営陣との調整は必要不可欠です。経営のビジョンによって、選択する国やベンダーの選択が変わってくるからです。
他の部署や経営陣を巻き込み、いざというときはトップダウンで現場を一致団結させるためにも、事前の社内調整は重要です。
オフショア開発には経験やノウハウが必要です。文化の異なる外国人をパートナーにするため、最初は慣れないことが多くて当然です。意思のすれ違いも最初のうちは頻繁に生じるかもしれません。
マネジメントツールを使いこなすことで、時差や距離を克服し、レビューを定期的に行うことで意識のズレを防ぐことができます。
このように、スムーズにオフショア開発を進めるためには、発注者側にマネジメントノウハウを貯められるかが当面の課題となります。
オフショア開発はブリッジSEがエンジニアチームと発注企業側との間に入り、進捗報告やレビューを行います。
日本語が堪能な外国人エンジニアがブリッジSEにアサインされることが多いですが、彼らには日本人のように「空気」や「行間」を読む文化はないので、指示は明確に与えなければなりません。
口頭だけでなく、イラストや図解にするなど、明確に的確に伝えるスキルが発注者側に不可欠です。
特にオフショア開発では、外国人を相手にした異文化コミュニケーションスキルが求められます。
オフショア開発を行う前に、いくつかの問題点について考えてみましょう。
日本企業がオフショア開発において一番心配することは、コミュニケーションがちゃんと取れるかという点です。
オフショア開発プロジェクトがスムーズに行くかどうかは、橋渡し役を果たすブリッジSEの能力に大方依存しています。
ブリッジSEがボトルネックになってプロジェクトが上手くいかなくなるケースもあります。
日本での職務経験がないブリッジSEは、日本の商文化を理解しているかが懸念点になります。
オフショア委託国においても優秀なエンジニアは取り合いになっています。
新興国のエンジニアは上昇志向が強いので、スキルアップを求めて条件の良い所があればすぐに転職していきます。
そのため、オフショア開発では離職率の高さがデメリットになっていきます。
海外の人件費の高騰や円高の影響で、オフショア開発の単価も徐々に上がってきています。
中国やインドのオフショアは、もはやコスト削減というより、技術とリソースの獲得という目的で選択されるようになっています。
ベトナムやフィリピンオフショアでも単価が上昇していますが、今後は価格に見合った価値を提供できるかが、課題になっています。
このようにオフショア開発には、取り組むべきいくつかの課題と問題点があります。では、どのように課題を克服できるでしょうか。
オフショア開発は、IT部門だけの仕事ではありません。各部門と連携をしっかりとって、コミュニケーションがスムーズに行われるようによく準備することが必要です。
オフショア委託国との時差もしっかり考慮に入れ、コミュニケーションツールを使いこなせるようにしておきましょう。
「下請けに丸投げ」という意識ではなく「パートナー」として二人三脚でプロジェクトを進めていく意識が必要です。
オフショア開発は地理的な距離が離れているため、レスポンスの速さが重要になります。
ここでヒントになるのが、担当者の対応です。
担当者の対応が遅かったり、こちらの意図を汲み取る能力に著しくかけているようなら、要注意です。
担当者の反応は、そっくりそのままプロジェクトが始まったあとのベンダーの対応になるからです。
何のトラブルもなく順調に進むプロジェクトなどありえません。問題が起きたときにどう対処していくのか、ベンダー選定時の担当者の反応で大方推測できるのです。
オフショア開発はノウハウが必要です。
そのため多くのケースで、単発の「受託開発」で小さく始めてその後「ラボ型開発」につなげることが近年のオフショア開発の定石になっています。
まず小さな案件を成功体験を積み、オフショア開発のノウハウを蓄積していくことで、長期的なリソースの活用から内製化のフェーズにまで進めることが可能になります。
外国人エンジニアを自分たちより格下のように見下す態度は問題になります。
近い将来、国内ユーザー企業の大半はオフショア開発を利用せざるを得ない状況になるといわれています。さらに、円安や近年の経済衰退により、海外の若者から日本は次第に選ばれなくなっていることに危機感を持つべきです。例えば、筆者が実際にベトナムに住んでいて感じるのは、今のベトナムの若者にとって日本はあまり魅力がなく、韓国や欧米市場に良い人材がどんどん流れていっています。
今のうちに良いオフショアパートナーと関係を築き、ビジネスパートナーとして進めていく意識を持つことは、今後、世界の競争で勝ち残るのに不可欠です。
日本は先端技術エンジニアが今後さらに不足すると予想されています。
これからの時代、ユーザー企業はオフショア開発、グローバル開発がさらに一般化していくでしょう。
先を見据えて今のうちからオフショア開発を検討されるのはいかがでしょうか。
Rabiloo(ラビロー)はベトナムのグローバルソフトウェア開発企業です。これまで日本企業のビジネスパートナーとして、特にリテール業界の開発案件に強みを持っています。
エンジニアの80%以上はベトナムTOPの理工系大学、ハノイ工科大学出身です。プロジェクトのニーズに応じて、柔軟に人材増強サービスを提供しています。
案件のご相談、プロジェクトの進行はすべて日本語対応なので行います。
まずはお気軽にお問い合わせください。
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