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店頭でのおすすめ商品の紹介や、利用案内、季節ごとのキャンペーン。
こうした情報を、わかりやすく・タイムリーに買い物客へ伝える手段として、デジタルサイネージを導入する企業が増えています。
さらに、病院の待合スペースやドラッグストアの棚前など、身近な場所での活用が進む一方で、
最近では、ベビーケアルームや受付カウンター、狭小スペースといった限られた空間でも、小型サイネージを活用した情報発信が広がっています。
その背景にあるのが、「どう運用すれば、負担なく使い続けられるか」という課題です。
そこで注目されているのが、クラウド型のデジタルサイネージです。
クラウドサイネージは本部やオフィスのパソコンから、複数拠点や端末に遠隔で一括配信できるため、スタッフの手間を最小限に抑えながら、情報の鮮度を保つ運用が可能です。
この記事では、全国のドラッグストアチェーンへの15,000台超の端末導入実績を持ち、CMS・STB・配信システムを自社開発しているRabiloo(ラビロー)が、クラウド型デジタルサイネージの仕組みと選び方の要点を、実際の導入・運用現場の視点からわかりやすく解説します。
クラウド型デジタルサイネージの仕組みと他方式との違い
多店舗・非店舗でクラウドサイネージが選ばれる理由
デジタルサイネージに関してよくある失敗とその回避策
比較すべきクラウドサイネージの機能・選び方の基準
Rabilooによる“使い続けられる”デジタルサイネージ導入支援の特長
クラウド型デジタルサイネージとは、インターネットを使って、遠隔から複数のサイネージ端末に表示内容を一括で配信・管理できる仕組みです。
「クラウド」とは、本来サーバーやソフトウェアを自社で持たず、必要な機能をインターネット経由で利用する仕組みのこと。
詳しくは【初心者でもわかる】クラウドサービスとは?わかりやすく解説!という記事をご参照ください。
クラウド型サイネージの場合は、ブラウザ上の管理画面(CMS)から操作することで、現地に行かなくてもコンテンツの切り替えや配信スケジュールの設定ができるのが大きな特徴です。
たとえば本部やオフィスにいる担当者が、全国の店舗や施設の端末に向けて、キャンペーン動画や商品情報を一括で更新することができます。
まずはこのクラウド型が、従来のサイネージとどう違うのか、代表的なタイプと比較してみましょう。
※デジタルサイネージのコンテンツ管理システム(CMS)については「デジタルサイネージソフトウェアとは?CMSで簡単コンテンツ配信!」という記事をご覧ください。
デジタルサイネージは、配信方法によって以下の3つに分類されます。
スタンドアロン型
端末にUSBメモリなどを差し込んで動画や画像を再生する方式です。
低コスト・シンプルに始められる反面、拠点が増えると更新が属人的になりやすく、手間が膨らみます。
オンプレミス型
自社内のサーバーから社内ネットワーク経由で配信する方式です。
セキュリティやカスタマイズ性に優れますが、IT資産の構築・保守が前提となるため、初期投資と専門人材が必要です。
クラウド型
CMSにアクセスし、インターネットを通じて複数拠点へリアルタイムでコンテンツ配信・管理ができる方式です。
SaaS型のためサーバー不要で始めやすく、スモールスタートから多拠点展開まで柔軟に対応できます。
関連記事:SaaSとは何かわかりやすく説明!活用のメリットと注意点とは?
クラウド型では、ブラウザ上で操作できるCMS(コンテンツマネジメントシステム)を使って、サイネージ端末(STB=セットトップボックス)に配信内容を送信します。
CMS側で登録・スケジューリングしたコンテンツは、インターネットを通じて各端末に配信され、自動的に表示されます。
これにより、本部やオフィスのPCから、全国の拠点にある端末を一元的に遠隔管理することが可能になります。
多くのCMSでは、以下のような機能も備えています:
曜日・時間帯・地域ごとの表示出し分け
緊急時のコンテンツ切り替え
STBの稼働状況モニタリング
拠点別の権限管理
関連記事:デジタルサイネージ専用のSTBとは何をするデバイス?仕組みを簡単解説
クラウド型が導入される背景には、次のような運用課題があります:
複数店舗にUSBを配布していたが、反映のズレや手間が大きい
拠点が増えたことで、更新タイミングの管理が煩雑になった
担当者が限られており、属人的な運用に限界を感じている
本部主導でスピード感のある情報配信を行いたい
こうした状況において、クラウド型は一元的な更新と柔軟な拠点管理を両立できる選択肢として注目されています。
初期導入のハードルが低く、運用を続けやすいという点でも、多店舗展開を前提とする企業にとって強い味方になります。
クラウド型デジタルサイネージは、運用負担を軽減しながら情報の鮮度を保てる点で、導入が広がっています。
ここでは、クラウド型ならではの実用的なメリットを、特に多拠点・少人数体制での運用を想定して紹介します。
クラウド型の最大の利点は、地理的に離れた拠点をインターネット経由で一括管理できることです。
本部やオフィスの1台のパソコンから、全国に設置された複数のサイネージ端末に対し、
配信スケジュールの設定・表示コンテンツの切り替え・再生状況の確認などを遠隔で行うことができます。
これにより、人的リソースが限られていても、店舗ごとの巡回やUSBの差し替えといった手間をかけずに管理が可能になります。
特に、店舗数が10を超えるようなケースでは、管理の効率化による恩恵は非常に大きくなります。
USB更新や個別設定を必要とするサイネージでは、現場の担当者に依存した属人的な運用になりがちです。
一方クラウド型では、CMSと呼ばれる管理画面にログインするだけで、誰でも簡単にコンテンツを入れ替えることができます。
担当者が異動・退職した場合でも、複雑な引き継ぎや現場対応が不要となり、
「誰が操作しても同じ品質で運用できる仕組み」を社内に構築できるのが特長です。
また、複数人での権限管理や承認フローの設定が可能なCMSを使えば、本部主導のコンテンツ配信体制も整いやすくなります。
クラウド型サイネージは、「店舗の壁」や「ショーウィンドウ」だけにとどまらず、
個室のベビーケアルーム、受付カウンター、待合スペース、サービスエリア内の小規模コーナーなど、
スペースが限られた環境にも柔軟に対応できるのが強みです。
インターネットに接続できる環境であれば、配線工事やサーバー設置の必要もなく、
小型ディスプレイ+STB(セットトップボックス)を設置するだけで導入が完了します。
サイネージを電子POPとして導入したい企業にも適しており、
非店舗型の活用が今後さらに広がる分野です。
クラウド型では、システムやサーバーを自社で持つ必要がありません。
保守やソフトウェアのアップデートはサービス提供側(プロバイダー)が行うため、導入企業側は運用リスクや管理コストを最小限に抑えられます。
OSの更新やセキュリティパッチの適用、ソフトウェアのバージョンアップなどが自動で行われる環境は、
IT部門の少ない企業にとって大きな安心材料になります。
また、CMSの改善や新機能追加もクラウド経由で即時反映されるため、常に最新の状態で使い続けることができるのもクラウド型の大きな魅力です。
クラウド型デジタルサイネージは、運用のしやすさや拡張性の高さが魅力ですが、「導入して終わり」ではうまく活用されないまま止まってしまうケースも少なくありません。
ここでは、導入企業がよく直面する失敗例と、その背景にある原因について解説します。
クラウド型サイネージの心臓部ともいえるのがCMS(コンテンツ管理システム)ですが、操作が複雑すぎると日常的な更新が止まってしまうリスクがあります。
1枚画像を入れるのに手順が多すぎる
時間帯別設定が複雑で触れない
誰かに聞かないと操作できない
こうした状況は、現場任せの属人運用を再発させ、結局“黒い画面がついたまま”のサイネージが生まれる原因となります。
CMSは単に多機能であるだけでなく、直感的に使えるUIやマニュアルレスで操作できることが継続利用の鍵となります。
同じ業態でも、地域性・客層・営業時間・店舗レイアウトなどが異なる店舗ごとに「表示したい内容」も変わります。
しかし、クラウド型CMSが店舗別のグループ設定や配信出し分けに対応していない場合、
本部が一括で同じコンテンツを全店に流すしかなくなり、現場と噛み合わない運用になりがちです。
これにより「現場に刺さらない」「タイムリーでない」情報発信になり、せっかくのサイネージが形骸化してしまうリスクも。
CMSの機能として「拠点ごとの柔軟な制御」ができるかどうかは、初期選定時の重要なポイントです。
クラウド型である以上、インターネット回線は不可欠です。
そのため、通信が不安定な拠点や回線トラブルが起きやすい環境では、「画面が真っ黒」「配信が止まる」などの問題が発生することがあります。
特にCMSの設計によっては、ネットが切れると一切表示されない“ストリーミング前提”の仕組みになっている場合もあるため要注意です。
安定運用のためには、STB側にコンテンツを一時保存(キャッシュ)してオフライン再生できる設計かどうかを確認しておく必要があります。
クラウド型サイネージの中には、初期費用や月額が非常に安く設定されているものもあります。
一見コストパフォーマンスがよさそうに見えますが、機能が固定されており、後からAIカメラやPOSとの連携、アナリティクス追加などに対応できないことも少なくありません。
結果として、「最初に導入したシステムでは成長に対応できず、結局入れ替えになった」という事例もあります。
導入段階では、“今使う”だけでなく、“将来的にどこまでやりたいか”も視野に入れたサービス選定が重要です。
クラウド型デジタルサイネージを導入する際は、単に「遠隔で配信できる」だけでは不十分です。
日々の運用が現場で続くか、将来的な拡張にも対応できるかといった視点で比較・選定することが、長期的な活用には欠かせません。
以下のチェックリストをもとに、導入前に検討すべきポイントを整理しておきましょう。
CMS(コンテンツ管理システム)は、日々触れる“現場との接点”です。
複数拠点に展開する場合は、操作性と配信の出し分け機能が特に重要です。
ブラウザ上から直感的に操作できるか?
複数の管理者で役割・権限を分けて使えるか?
拠点別・エリア別にグループ配信やスケジュールが設定できるか?
緊急時の情報差し込みや一時的な上書き配信に対応できるか?
サイネージ端末に接続されるSTB(セットトップボックス)は、実際に映像を表示する“現場の主役”です。
トラブル時の対応力や、日々の安定稼働が問われます。
電源オンで自動再生が始まるなど、現場の手間が少ないか?
遠隔からの再起動・ステータス確認などが可能か?
長時間稼働でも熱暴走・フリーズが起こりにくいか?
CMSとSTBが同一開発元 or 正式対応されている構成か?
Rabilooは小型のSTBと小型タブレットを自社で製造しています。STBのサイズはこんなにコンパクト。場所を取らないため、全国チェーンのドラッグストアの電子POPのSTBとしてご利用いただいています。日本市場向けに1万5000台以上出荷しています。
ネット環境が不安定な店舗・施設では、クラウド型でもオフライン再生対応が必須です。
また、スペース制約や特殊な設置環境も事前に考慮する必要があります。
ネットが切れても、STBが一時保存したデータを表示できるか?
STBとディスプレイが分離可能/背面取り付け可能など、柔軟な設置ができるか?
電波干渉・電源容量など、設置環境に合わせた機種選定ができるか?
サイネージは「表示するだけ」の時代を超え、データと連携して成果を可視化し、最適化する時代へ移行しています。
拡張性を見据えて選ぶことで、あとからの再構築コストを避けられます。
AIカメラとの連携(視聴分析・属性取得)に対応しているか?
POS・在庫・来店履歴など他システムとのデータ連携が可能か?
自社専用機能の追加開発や、柔軟なカスタマイズができるか?
API仕様など、他社製品と統合しやすい構造か?
AIカメラと連携することで顔から性別、年齢、表情、視聴時間、視聴率などのデータをとることができ、サイネージの効果測定を図ることができます。
チェックしたうえで、「いま必要な機能」と「将来的に必要な可能性がある機能」を分けて整理すると、導入の優先順位が明確になります。
ご相談・要件ヒアリングをご希望の方はこちらからお問い合わせください
ここまでご紹介してきたように、クラウド型デジタルサイネージを導入・運用するうえでは、「配信できるかどうか」よりも“現場で止まらずに、長く使い続けられるかどうか”が本当の勝負になります。
Rabilooでは、その運用本質にこたえるべく、CMS・STB・配信システムのすべてを自社で開発し、個別の課題に柔軟に対応できる体制を構築しています。
導入後の「使われなくなる」「拡張できない」といった失敗を回避し、費用対効果の高いデジタルサイネージ運用を支援しています。
Rabilooは、CMS(配信管理画面)・STB(再生端末)・配信サーバーをすべて自社で開発・運用しています。
これにより、システム間の連携不具合がなく、パフォーマンスが安定しているのが特長です。
また、お客様の業種や拠点数、運用体制に応じて、必要な機能を適切に取捨選択した“最小限で最大限活用できる構成”を提案することが可能です。
サードパーティ製品の組み合わせでは難しい、柔軟なカスタマイズやアップデート対応も自社開発体制ならではの強みです。
Rabilooは、これまでに15,000台を超える端末を日本全国のドラッグストアチェーンなどに導入・運用してきました。
こうした現場実績を通じて、日本市場に最適化されたCMS画面設計と運用ノウハウを蓄積しています。
特に、日本語UIの自然さ・操作手順のわかりやすさ・権限管理のしやすさなど、現場スタッフや本部担当者の負担を軽減する工夫が多数盛り込まれています。
「サイネージは初めて」「ITに詳しい人がいない」というお客様でも、無理なく運用を始めていただける設計になっています。
Rabilooのクラウド型サイネージは、一般的な商業施設だけでなく、設置条件が厳しい非店舗型案件にも対応しています。
たとえば、完全個室のベビーケアルームに設置された小型サイネージ端末では、
・ネット接続が不安定な環境でも再生が途切れないSTB構成
・視線高さや壁面スペースに配慮した筐体デザイン
・混雑状況や使用案内のタイムリーな表示更新 など、
現場に最適化された運用設計と機材提供を実現しています。
このように、Rabilooは「店頭以外での活用」や「狭小スペースでの展開」といった新しい活用ニーズにも柔軟に対応可能です。
サイネージを「映すだけの装置」から、「顧客と状況に合わせて変化する販促装置」へ進化させるためには、他システムとの連携とAI活用が重要な要素になります。
Rabilooでは、AIカメラやPOS連携への対応はもちろん、独自の顔認識アルゴリズムを活用したAIサイネージの構築にも対応しています。
これにより、以下のような高度な活用が可能です:
視聴者の年齢・性別・注視時間を自動で取得し、効果測定に活用
時間帯・客層に応じて自動で表示コンテンツを切り替えるターゲティング配信
顔認識×POSデータによる店舗別のコンバージョン分析
こうした高度なAI活用は、導入時点では必要なくても、将来的にマーケティング強化やDX戦略の一環として有効です。
Rabilooは初期構成からこうした拡張を見越した設計が可能なため、「いま必要な機能」から無理なくステップアップできる構成をご提案します。
クラウド型デジタルサイネージは、現場の手間を減らしつつ、情報発信をスピーディかつ柔軟に運用できる仕組みです。
しかし、実際には「配信できる」だけでは成果につながらず、継続的に“使われる仕組み”かどうかが導入の成否を分けます。
Rabilooのクラウド型デジタルサイネージは、CMS・STB・配信システムすべて自社開発。
現場での使いやすさから、多拠点管理、将来的なAI活用まで見据えた実運用に強い設計が特長です。
CMSは誰でも扱えるシンプル設計
配信状況の遠隔監視・STBのリモートアップデートにも対応
顔認識やPOS連携によるAIサイネージへの拡張も可能
完全個室・狭小スペースなど非店舗環境での導入実績も豊富
「こんな場所でも使える?」「今の構成でムダがないか確認したい」「AI連携って実際何ができる?」──
そんなご相談からでも、要件整理・構成設計・導入検討まで一貫してサポートいたします。
まずはお気軽に、貴社の利用イメージや課題をお聞かせください。
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