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オフショアとは?IT業界やビジネスで使われる意味を簡単に解説!

2024/10/22
2023/02/07
オフショアとは?IT業界やビジネスで使われる意味を簡単に解説!

「オフショア」とは、ビジネスやレジャーなどのさまざまな場面で使われる用語です。

しかし各分野において、「オフショア」の意味は少し異なりますので、使用する分野や文脈を明確にすることが必要です。

本記事では、以下の分野におけるオフショアの意味を解説します。

  • ビジネス

  • IT業界

  • 金融業界

  • 船舶

  • レジャー

また、オフショアのメリット・デメリットについて考え、近年オフショア利用の動向についても紹介します。

オフショアとは?

もともと「オフショア」という言葉は、英語の「offshore」から来ています。「offshore」は「岸から離れた」、「沖合いの」という意味を持ちます。

しかし、使用する分野において、「オフショア」の意味は少し異なります。

一般的に、「オフショア」は以下のような使われ方があります。

オフショアとは

 

  • ビジネスにおいて:企業が、本社以外の場所、通常は海外の場所に設置した事業拠点や関連企業を指します。
  • IT開発:外国のIT企業や開発者が提供する開発サービスを指します。
  • 金融: 外国にある金融機関や企業が提供するサービスやプロダクトを利用することを指します。
  • 船舶:海上に浮かんでいる状態を指します。オフショア・プラットフォームや、オフショア・リソース・プラットフォームなどと呼ばれる油田開発設備もこのカテゴリーに含まれます。
  • レジャー: 海や湖などの岸から離れた場所で行われるスポーツや観光などを指します。

 

このように、「オフショア」は多岐にわたりますが、共通する特徴として「岸から離れた場所」を指します。

オフショアリングとは?

「オフショアリング」という言葉は、「offshoring」という英語から来ています。「offshoring」は「国外に移すこと」、「国外に移動させること」という意味を持ちます。

「オフショアリング」は、ビジネスプロセス、製造業、開発業などを国外に移動させることを指します。例えば、コスト削減のために国内で行われていたビジネスプロセスを、海外の企業や開発者にアウトソーシングすること、または、国内で製造されていた製品を海外で製造することを「オフショアリング」と呼ぶことがあります。

IT業界におけるオフショアとは

IT業界における「オフショア」は、一定のタスクや開発プロジェクトを人件費の安い海外の企業に委託して実施することを指します。

これは、主にコスト削減やリソースの補完などの目的から行われます。例えば、日本企業が中国やベトナムなど外国の企業にソフトウェア開発やサポートなどのタスクを委託することは、オフショアの一般的な例です。

IT開発工程の一部を外部にアウトソーシングすることを「オフショア開発」「オフショアリング」とも呼びます。

過去においてオフショア開発は、コスト削減を目的に、開発の下流工程の下請けを海外に出すという位置付けでした。しかし近年では深刻な人手不足の影響から、高度技術の確保、エンジニアリソースの確保など、オフショアを行う目的が変化しています。

▶︎オフショア開発とは?メリットやベンダー選びのポイントを簡単に解説!

金融業界におけるオフショアとは

金融において、「オフショア」という言葉は、以下の意味があります。

  • 銀行関連: 銀行が持つ資産や負債を分散することを目的として、本支店以外の場所(海外など)に開設する支店や子会社を指します。
  • オフショア市場: 金融商品(債券や株式など)が発行され、販売される場所が本国以外であることを指します。この場合、オフショア市場と呼ばれます。
  • オフショア投資: 銀行などの金融機関が、リスクを分散することを目的として、本国以外の資産などを投資することを指します。

レジャーにおけるオフショアとは

スポーツやレジャーにおいて「オフショア」という用語、は海や湖など、岸から離れた場所で行われる釣りやサーフィンなどで使われています。

釣り

釣りにおける「オフショア」とは、岸から遠い所からの釣りのことを指します。

オフショア釣りは、深い水域で船から釣ることが特長で、大きな魚や豊富な種類の魚を釣ることができます。オフショア釣りには専用の船や設備が必要となり、船頭スキルや体力も要求されます。

サーフィン

サーフィンにおいて「オフショア」は、岸から海の方に向かって吹く風のことを指します。オフショアの風が吹く場合、波が穏やかで高さが均一になり、サーフィンのために最適な条件となります。

オンショア、ニアショアとは?

「オフショア」という言葉に対して「オンショア」や「ニアショア」と言った言葉もビジネスの分野でよく使われます。

オンショア

「オンショア」という言葉は、「onshore」という英語から来ています。「onshore」は「岸に近い」、「岸上の」という意味を持ちます。

「オフショア」とは対照的に、「オンショア」は国内にあるサービスやプロダクト、開発者などを指します。例えば、海外にある「オフショア」の金融機関から融資を受けた企業が、国内の金融機関からも融資を受ける場合、これを「オンショア」融資と呼ぶことがあります。

ニアショア

「ニアショア」という言葉は、「nearshore」という英語から来ています。「nearshore」は「近接した岸」、「岸から近い」という意味を持ちます。

「ニアショア」は「オフショア」と「オンショア」の中間的な位置を指します。例えば、国内の人件費や土地が安い地方都市の企業を使って開発を行うことを「ニアショア開発」と言います。

▶︎ニアショア開発とは?【メリット・デメリット・今後の課題】を解説!

 

このように、ビジネスにおける「オンショア」、「オフショア」、「ニアショア」という用語は、国内外や近隣諸国からのサービスやプロダクト、開発者などの位置関係を示す言葉として用いられています。

オフショアリングのメリット

ビジネスにおけるオフショアリング(海外へのアウトソーシング)には以下のようなメリットがあります。

コスト削減

労働力のコストが低い国で開発や生産を行うことで、コストが削減されます。

リソースの確保

海外の豊富な人材を使うことで、足りない労働力やIT開発のリソースを補うことができます。また、労働力が多い国であれば、大量生産が可能になります。

スキルの多様性

異なる国から人材を集めることで、多様なスキルを持った人材を利用できます。

フレックスタイム

開発先とのタイムゾーンの違いを利用して、24時間作業が可能になります。アメリカのIT企業はインドでオフショアリングを行うことにより、寝ている夜の間にも開発を行うことができます。

オフショアリングのデメリット

オフショアリングには以下のようなデメリットも存在します。

遠隔地のトラブル

オフショア先でトラブルが起こると、解決に時間がかかることがあります。

コミュニケーションの問題

言語や文化の異なる国のオフショア先との間では、コミュニケーションに課題があります。

品質の低下

オフショア先での作業には品質管理が必要であり、場合によっては品質が劣化することもあります。

情報の漏洩

オフショア先に情報が漏洩することがあります。

IT業界におけるオフショアの動向

深刻なIT人材不足を抱える日本では、オフショア開発の利用がますます増加傾向にあります。コロナ禍でリモートワークの文化が定着したことも、オフショアでプロジェクトを進めやすくなった要因になっています。

今後のIT開発におけるオフショアの動向を見ておきましょう。

クラウドコンピューティングの導入

オフショア開発を行う企業は、クラウドコンピューティングを活用することで、低コストでスケーラブルな開発環境を構築することができます。

オンラインプラットフォームの利用

多くのオフショア開発企業が、オンラインプラットフォームを利用することで、開発チームとのコミュニケーションを容易に行うことができます。これにより、より高品質な開発作業が行えるようになります。

モバイルアプリ開発の拡大

モバイルアプリの需要が高まり、オフショア開発の中でもモバイルアプリ開発が拡大しています。特に、世界中のユーザーにリーチできるアプリケーションのグローバル開発に注目が集まっています。

人工知能(AI)と機械学習の活用

AIやマシンラーニング(機械学習)は、さまざまな業界で採用されており、オフショア開発でもこれらの技術を活用することができます。これにより、より高品質かつ効率的な開発が可能になります。

 

上記のような動向から、オフショア開発は今後も活発になると考えられています。

まとめ

この記事では「オフショア」という用語の意味をそれぞれの業界において解説しました。

  • ビジネス:企業が、本社以外の場所、通常は海外の場所に設置した事業拠点や関連企業のこと
  • IT・開発:外国のIT企業や開発者が提供する開発サービス
  • 金融: 外国にある金融機関や企業が提供するサービスやプロダクトを利用すること
  • 船舶:海上に浮かんでいる状態を指します。オフショア・プラットフォームや、オフショア・リソース・プラットフォームなどと呼ばれる油田開発設備もこのカテゴリーに含まれる
  • レジャー: 海や湖などの岸から離れた場所で行われるサーフィンや釣りのこと

近年では「オフショア開発」といえば人件費が安く、リソースが豊富な海外に委託するIT開発の文脈で語られることが多くなっています。

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Kakimoto Kota
Rabilooのオウンドメディアで制作ディレクターを担当。日越翻訳、記事、動画、SNS、コンテンツの戦略立案から制作まで行う。2015年よりベトナム・ハノイ在住
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