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開発外注のためベンダー選定をしていて、「システム開発の費用は、そもそもどうしてこんなに高額なのだろうか」と疑問に思ったことはありませんか?
アプリ開発やシステム開発の見積もりは「人月」という単位で見積もられます。
ベンダー選定で失敗しないためにも、エンジニアの1人あたりの単価相場、つまり人月単価についてざっくり知っておくのは有益です。
この記事では以下の点について解説しています。
ベンダー選定の参考にしていただければ幸いです。
システム開発を含め、プロジェクトの費用は「工数」によって見積もられます。「工数(こうすう)」とは、プロジェクトを達成するために必要な作業量のことです。
それでシステム開発の見積もりでは、工数を表す単位として「人月(にんげつ)」が用いられます。
それで、「1人月(いちにんげつ)」とは、1人が1ヶ月で行える工数のことです。
「人月」は、プロジェクトに必要な工数を見積もるときや、チームの達成可能な目標を設定するときに使われます。
人月は「人数」×「月数」で計算します。
例えば、「6人月のプロジェクト」とは、1人でやると6ヶ月かかる工数のプロジェクトということです。
これを、2人で行えば3ヶ月で完了し、3人投入すれば2ヶ月で完了します。
このように、人月は人数や期間によって調整できます。
次に、「人月単価」について考えましょう。
エンジニアの「人月単価」とは、エンジニア1人が1ヶ月働く工数(1人月)に対して、システム開発会社がクライアントに要求する金額のことです。
勘違いされやすいですが、人月単価とはエンジニアに支払われる給料のことではありません。
「人月単価」は、エンジニアの人件費に、経費や利益を上乗せして設定されています。
エンジニアの大体の相場を知っておくと、ベンダーの選定に役立ちます。
日本国内のエンジニア単価のざっくりとした相場は以下の通りです。
一般的なプログラマー:40〜60万円
システムエンジニア(中級):60〜100万円
システムエンジニア(上級):100〜160万円
プロジェクトマネージャー:80〜130万円
これらはあくまで「相場」で、条件によって単価は異なります。
エンジニア単価は以下の要素によって決まっていきます。
エンジニア単価を決める要素として、エンジニアの「能力」「経験」「スキル」が関係しています。
ITエンジニアは専門職なのでスキルを身につけるのに時間がかかります。
そのためエンジニアの単価はスキルや経験に応じて高くなります。
要件定義や設計を行う上流工程でのエンジニア単価は100万円を超えることもありますが、プログラミング実装やテストなど下流工程の単価の相場は40万円〜60万円に設定されています。
どの開発会社も独自に単価テーブル(エンジニアの価格表)を定めていて、経験年数やスキル、役職などに応じてエンジニアが分類されています。この単価テーブルをもとに費用の見積もりが出され、発注企業はベンダーと単価を交渉していきます。
さらに、開発会社の「規模」によっても単価相場は変わります。
一般的に大手企業のエンジニア単価は高く設定されています。
それは必ずしも大手企業のエンジニアが他社より「優秀だから」という理由ではありません。
実は大手企業は開発の工程を別会社に下請けに出すことが多く、外注費に利益を上乗せしているため単価が高めに設定してあります。
そのため、大手企業の人月単価は高いですが、小規模企業のエンジニアと比べてスキルの面では大差ありません。
エンジニア単価相場は、開発ベンダーの所在する地域や国によっても変わります。
地域では東京のエンジニア単価が全国で最も高く、IT企業が多い横浜や大阪などの大都市のエンジニア単価相場は高くなっています。
一方、北海道や九州など、人件費やコストが東京に比べて安い地方のベンダーのエンジニア単価は東京の単価の80%ぐらいに設定されています。
さらに、人件費の安いアジア新興国に目を向ければ、日本のエンジニアの50〜30%の単価が相場になっています。
扱えるプログラミング言語によっても単価が変わります。
GO言語や、Rubyは需要があり、単価も高くなっています。
日本の市場ではAIなどの先端技術を扱えるエンジニアが非常に不足しています。
そのため、PythonやR言語でデータ分析、機械学習などのAI開発が行える人材には高い需要があります。
需要に対して成り手の少ない分野の先端技術のエンジニアにも高めの単価がつけられます。
業務用のWebシステムを開発しようと思えば、規模にもよりますが、100万円〜数千万円もの高額のコストがかかります。
システム開発のコストを抑える一つの方法は、単価相場を踏まえた上でなるべく単価の低い見積もりを検討することです。
システム・アプリ開発のコストはほとんどがエンジニアの人件費です。
人月単価の安いベンダーを選定することで、コストを抑えることができます。
単価の低いベンダーを検討するには主に二つの方法があります。
ニアショア開発(地方のベンダー)
オフショア開発(海外のベンダー)
エンジニア単価が比較的安い、北海道や九州をはじめとした地方のベンダーを選択肢に入れるなら開発コストが抑えられます。
このような開発方法をニアショア開発と言います。
ただ、日本はそもそも深刻なIT人材不足を抱えているため、東京で足りないエンジニアは、地方ではもっと足りません。さらにエンジニアのスキルの選択肢も少なくなり、必要なスキルセットを持ったエンジニアをタイミングよく見つけられないという難点があります。
日本の深刻なIT人材不足を受けて、大企業が目を向けているのはベトナムなど海外の開発パートナーです。
海外の開発ベンダーは、エンジニアリソースが豊富なこと、しかも国の人件費が安いため日本と同等スキルのエンジニアを低単価でアサインできる、というメリットがあります。
このように海外の現地エンジニアを使って開発することを「オフショア開発」と言います。
ベトナムやフィリピンなどの国では、日本のエンジニアの半分から3分の1の単価でエンジニアを確保できます。
かつてはプログラミングなどの下流工程に使われていましたが、近年ではユーザー企業が自社の開発リソースとしてオフショア開発を内製化する傾向が見られます。
特に人気があるのがベトナムの開発ベンダーです。ベトナムは親日で、日本で経験を積んだエンジニアや経営者が多いため、日本語対応でき、まだまだ単価も安いため日本の開発パートナーとして注目されています。
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この記事では、エンジニアの1人月の相場について解説しました。
人月はシステム・アプリ開発の見積もりで使われる単位
1人月とは、1人が1ヶ月で行える工数
人月=人数×月数
人月単価は1ヶ月のエンジニアの人件費と経費にベンダーの利益を加えて決められる
人月単価はエンジニアのスキル、経験に応じて高くなる
人月単価は会社の規模、地域、国によって差がある
人月単価の相場
初級 40〜60万円
中級 60〜100万円
上級 100〜130万円
ベトナムは「エンジニア単価が日本の3分の1」+「リソースが豊富」+「スキルの選択肢も豊富」というメリットがあります。一度、オフショア開発を視野に入れてみるのはいかがでしょうか。
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