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スクラッチ開発とは?カスタマイズ自在でライバルに差をつけろ

2024/10/22
2024/08/05
スクラッチ開発とは?カスタマイズ自在でライバルに差をつけろ

システムやECサイトの導入を考える際、多くの企業が選ぶのは月額で利用できるSaaSやプラットフォームでしょう。これらはすぐに使え、初期費用も抑えられるため、確かに魅力的な選択肢です。

しかし、既存のソリューションでは自社の独自性を十分に活かせない場合があります。そこで再び注目されているのが「スクラッチ開発」です。システムを一から作り上げるこの方法では、高度なカスタマイズが可能であり、自社のニーズに完全に対応できます。

もちろん、スクラッチ開発にはコストがかかることを懸念される方も多いでしょう。しかし、状況によってはスクラッチ開発の方が予算を最大限効率的に投資できる場合も少なくありません。

そこでこの記事では、スクラッチ開発の定義、そのメリットとデメリット、さらにどのような状況で有効であるかを詳しく説明します。また、コストに見合う価値を生み出せるケースについても触れていきます。中小企業やスタートアップの経営者の皆様が、自社に最適な開発方法を選択する際の参考になれば幸いです。

この記事でわかること

  • スクラッチ開発の意味と概要

  • スクラッチ開発のメリット・デメリット

  • スクラッチ開発の成功事例

  • スクラッチ開発を成功させるためのヒント

スクラッチ開発とは?

スクラッチ開発とは、既存のソフトウェアやフレームワーク、テンプレートなどを使用せずに、ゼロからシステムやアプリケーションを開発する方法です。このアプローチは、特定のビジネスニーズや要件に完全に合わせたカスタマイズが可能なため、企業が独自のソリューションを構築する際によく選ばれます。「手組み開発」と言われることもあります。

スクラッチの意味

スクラッチ開発のもともとの意味は、英語の From scratch(=何もないところから、ゼロから)から来ています。

スクラッチ開発のもともとの意味は、英語の From scratch(=何もないところから、ゼロから)から来ています。

英語の "Scratch"には「引っ掻く」という意味がありますが、もともとScratchとはレースのスタートラインのことで、「地面を引っ掻いてラインを書いた」ことに由来しています。

そのようにすべてのランナーが公平にスタートラインに立ち、いっせいので、スタートすることから "From scratch"は「何もないところから、ゼロから始める」という意味で使われるようになりました。

フルスクラッチ開発とは

「フルスクラッチ」と「スクラッチ」は、どちらも「特定のアプリケーションをゼロから作成する」という意味では大きな違いはありません。しかし、「フルスクラッチで開発する」という文脈では、全くのゼロの状態から作り上げることを強調したいというニュアンスが含まれています。

ゼロから作るとは言え、一般的にソースコードを書くときは、ライブラリやフレームワークを使用して効率よく開発します。完全にゼロからコードを書くような非効率なことはしません。「車輪の再発明」を避けるため、再利用可能なモジュールやコンポーネントを組み合わせて、特定の機能を効率よく実装することもよく行われています。

スクラッチ開発とパッケージ開発との違い

スクラッチ開発と対比されるのがパッケージ開発やSaasの利用です。パッケージ開発とは、既に完成したソフトウェアパッケージを購入したりクラウドベースのSaasを契約し、自社のニーズに合わせて設定やカスタマイズを行う方法です。

主な違いは以下の通りです。

項目

スクラッチ開発

パッケージ開発

カスタマイズ性

完全に自由なカスタマイズが可能。ビジネスプロセスにピッタリ合ったシステムを作成できる

ある程度のカスタマイズは可能だが、基本的な機能は既存のテンプレートに依存する

開発時間とコスト

一から開発するため、時間とコストが大きくなるが、長期的には自社に最適なシステムが構築できる

導入が迅速で、初期コストも低いが、長期的なカスタマイズや拡張には制限がある

維持管理

システムの所有権が自社にあるため、サポート終了のリスクがなく、長期的な運用が可能

サポート終了のリスクがあり、依存しているベンダーのサポートが受けられなくなることがある

これらの違いを理解することで、企業は自身のニーズやリソースに最も適した開発手法を選択できます。スクラッチ開発は特に、独自性や高いカスタマイズ性を求めるプロジェクトにおいて、その強みを発揮します。

スクラッチ開発のメリット

スクラッチ開発のメリット

スクラッチ開発には、以下の3つの主要なメリットがあります。それぞれについて詳しく解説していきます。

カスタマイズ性の高さ

スクラッチ開発の最大の利点は、ビジネスのニーズに100%マッチしたシステムを構築できることです。既存のパッケージソフトウェアでは対応しきれない、企業固有の業務フローや独自のルールをシステムに正確に反映できます。例えば、特殊な在庫管理方法や、複雑な承認プロセスなどを、ビジネスの要求通りに実装することが可能です。

また、ビジネスの成長や変化に合わせて柔軟に拡張できるものスクラッチ開発の特徴です。

例えば、新しい決済方法の追加や、AIを活用した予測機能の実装なども、システムの基盤から考慮して設計できるため、後々のスムーズな導入が可能です。

さらに最新かつ最適なテクノロジーやフレームワークを自由に選択できるのもスクラッチ開発のメリットです。

長期的なコスト効率

スクラッチ開発は初期投資が大きくなることが多いですが、長期的な視点で見た場合のコスト効率が高いという特徴があります。一度作れば、長期的なライセンス料を支払う必要がありません。

例えば、1000人規模の企業でERPシステムを導入する場合、パッケージソフトのライセンス費用は年間数千万円に達することもありますが、スクラッチ開発ではこの費用を削減できます。

既存のパッケージソフトウェアを大幅にカスタマイズする場合、初期費用に加えて、バージョンアップの度に多額のカスタマイズ費用が発生することがあります。スクラッチ開発では、初期段階から必要な機能を組み込むため、これらの追加コストを抑えられます。

さらにスクラッチ開発では、システムを段階的に開発し、徐々に機能を拡張していくことが可能です。これにより、初期投資を抑えつつ、ビジネスの成長に合わせて段階的に投資を行うことができます。例えば、まず基本的な機能のみを持つMVP(Minimum Viable Product)を開発し、その後ユーザーフィードバックを基に機能を追加していく方法が取れます。

独自性とライバルとの差別化

企業の競争力を大きく向上させることができます。

・独自機能による差別化ができる

競合他社にはない、自社ならではの機能やサービスを実現できます。

例えば、Eコマース企業が独自の推薦アルゴリズムを開発し、顧客の購買体験を向上させることで、競合他社との差別化を図るケースがあります。

・業務効率の最大化ができる

自社の業務フローに完全に最適化されたシステムにより、業務効率や生産性が大幅に向上します。

例えば、製造業において、生産計画から在庫管理、出荷までの一連のプロセスを完全に統合したシステムを構築することで、リードタイムの短縮や在庫の最適化が実現できます。

・迅速な市場対応が可能

市場の変化や顧客ニーズの変化に素早く対応できます。

例えば、小売業において、急激な需要変化に対応するための在庫予測システムを迅速に導入したり、新たな顧客サービスを短期間で開発・リリースしたりすることが可能です。

スクラッチ開発の具体的な事例

スクラッチ開発は多くの企業で成功事例があり、そのメリットを最大限に発揮してます。以下に弊社Rabilooのクライアントにおける成功事例を紹介します。

事例その1:サロン向け予約システム

スクラッチ開発の具体的な事例

福岡でマッサージリラクゼーションサービスを展開する「もみ徳」は、リピート客を増やし、予約状況とスタッフの稼働時間と休憩時間を最適化できる、予約システムを必要としていました。

また他社と差別化するための独自のポイントシステムや、スタッフへのフィードバックとお客様の好みを共有できる店舗アプリの開発をスクラッチで依頼しました。

パッケージで我慢するのではなく、初めから自社のビジネススタイルに最適化したシステムに投資することができたので、業務の効率化、リピート客の創出、ブランディングの確立に成功し、福岡地域で総店舗数1位になるまで成長を遂げました。現在も弊社で運用・保守を行いながら、バージョンアップを繰り返しています。

参照記事:もみ徳のケーススタディ

事例その2:アーティストと買い手を繋ぐECシステム「うつわ販売サイト」

アート作品販売サービスを展開する株式会社韋駄天のケースです。こだわり抜いたガラス、漆器、陶磁器を販売する新事業の展開に伴い、ECの構築を検討していました。

普段の買い物体験ではできない、こだわりのうつわ作品を手に入れたいという「買い手」と、才能があるのに世の中に露出することがなかなかできないでいる優れた「作家」を繋ぐ、ECプラットフォームを構築したいというユニークなニーズがありました。

ただ単に、商品を掲載し、カートシステムがあれば良いというわけではなく「日本の文化を継承する」という企業のブランディングにマッチした独自性に応えるシステムが必要でした。たくさんの画像も掲載する必要があるので、表示速度の最適化などの課題もありました。ECプラットフォームではそのニーズを満たすことができず、スクラッチ開発が最適解となりました。

確かに初期投資は必要でしたが、開発チームの効率的なプロセスにより、わずか2ヶ月でのローンチを実現しました。これにより、新事業の迅速な展開というニーズにも見事に応えることができ、時間面での節約はコスト以上の価値が出ました。

結果として、投資利益率(ROI)も高く、投資に対する効果の大きさが明らかになりました。この事例は、技術力の高いベンダーを選ぶことで時間とコストを抑えつつ、スクラッチ開発が単なる「カスタマイズ」を超えてビジネスの革新的な武器となり得ることを示しています。

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スクラッチ開発のプロセス

5. スクラッチ開発のプロセス

スクラッチ開発とは、既存のソフトやひな型を使わず、システムを一から作り上げる方法です。成功させるには、各段階を慎重に進めることが大切です。以下では、スクラッチ開発の主な段階と、それぞれを成功に導くコツをご紹介します。

要件定義から本番稼働までのステップ

要件定義: 

目的: クライアントやステークホルダーと協力して、システムの目的や要件を明確にします。

重要なポイント: 必須要件と希望要件を明確に区別し、システムの範囲を決定します。すべての関係者の合意を得ることが重要です。

設計:

目的: システムの構造やインターフェースを設計します。データベース設計、UI/UXデザイン、アーキテクチャ設計などが含まれます。

重要なポイント: ユーザーエクスペリエンスを考慮し、直感的で使いやすいインターフェースを設計します。また、システムのスケーラビリティと拡張性を確保することが重要です。

開発:

目的: 設計に基づいて、システムを実際に構築します。フロントエンドとバックエンドの開発が進行します。

重要なポイント: コードの品質を確保するために、コードレビューやテストを定期的に実施します。開発チーム間のコミュニケーションを密にし、進捗を共有します。

テスト:

目的: システムが仕様通りに動作するかを確認し、バグや不具合を修正します。ユニットテスト、統合テスト、ユーザビリティテストなどが含まれます。

重要なポイント: テストカバレッジを高め、予期しない問題を防ぐために広範囲なテストを実施します。ユーザーからのフィードバックを積極的に取り入れ、改良を重ねます。

デプロイメント(展開):

目的: テストが完了したシステムを本番環境に展開します。

重要なポイント: 本番環境への移行は慎重に行い、バックアップやリカバリープランを用意します。システムのパフォーマンスをモニタリングし、安定性を確認します。

運用・メンテナンス:

目的: システムが安定して稼働するように監視し、必要なメンテナンスを行います。

重要なポイント: 定期的なアップデートやセキュリティパッチの適用を行い、システムの安全性と効率を維持します。ユーザーからのフィードバックを収集し、システムの改善に役立てます。

スクラッチ開発は、仕様が明確になっている場合、ウォーターフォールモデルで行われることが多いですが、アジャイルで行う場合は、このプロセスを短いサイクルで繰り返していきます。

重要なフェーズと成功のためのポイント

1.要件定義の明確化:

要件定義フェーズでの曖昧さは、後のステージで大きな問題を引き起こす可能性があります。すべての要件を文書化し、関係者と確認することで、開発の方向性を明確にします。

2.ユーザー中心の設計:

システムの設計時には、エンドユーザーのニーズと使用状況を考慮することが重要です。ユーザビリティテストを通じて、実際の使用状況に基づいた設計改善を行います。

3.テストの徹底:

テストは開発プロセスの一部であり、バグを事前に発見するために欠かせません。自動化テストツールを活用して、効率的にテストを行い、リリース前に可能な限り多くの問題を解決します。

4.持続的な改善とアップデート:

本番環境での運用後も、システムのパフォーマンスを監視し続け、必要に応じて改善を行います。技術の進化やビジネスニーズの変化に対応するために、柔軟なメンテナンス体制を整えることが重要です。

これらのステップとポイントをしっかりと押さえることで、スクラッチ開発のプロジェクトが成功する可能性が高まります。

スクラッチ開発のデメリットとその対策

スクラッチ開発のデメリットとその対策

スクラッチ開発には多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットを理解し、適切な対策を講じることで、スクラッチ開発の成功率を高めることができます。以下に、主なデメリットとその対策を紹介します。

開発期間が長くコストがかかる

デメリット:

スクラッチ開発は、システムを一から作り上げるため、開発期間が長くなりがちです。また、初期開発費用も高額になることが多く、予算管理が難しくなることがあります。特に、プロジェクトの規模が大きくなるほど、これらのリスクは増大します。

対策:

スモールスタート: 初期段階で最も重要な機能に絞って開発を開始し、段階的にシステムを拡張していくことで、初期費用を抑えつつ、迅速に市場に投入することが可能です。

詳細な要件定義: 要件定義を明確に行い、プロジェクトの範囲を厳格に管理することで、不要な機能の追加を防ぎ、予算とスケジュールを管理しやすくします。

ベンダー選定が難しい

デメリット:

スクラッチ開発には、高度なプログラミングスキルやシステム設計の知識が必要です。これにより、適切な人材の確保が課題となり、また、専門的な技術が求められることでチーム内のコミュニケーションが複雑化することがあります。

対策:

ベンダーの専門分野と事例の確認: 初期段階で、ベンダーが自社のニーズに合った専門分野を持っているかを確認します。これには、ベンダーが特定の業界や技術に強みを持っているかどうかを確認することが含まれます。過去の事例や提供できるソリューションのリストをベンダーから直接提供してもらうことで、即座に適合性を判断できます。

簡易的な提案依頼: 詳細なRFP(提案依頼書)を作成するのが難しい場合、簡易的な提案依頼をベンダーに出します。具体的な要件の一部と予算、スケジュール感を伝えることで、ベンダーから迅速に提案を受け取り、比較検討ができます。

ベンダーとの初期ミーティング: 短時間の初期ミーティングを複数のベンダーと設定し、各ベンダーの対応力や理解度を確認します。このミーティングでは、ベンダーのアプローチや提案内容の概要を聞き、その場で質問をすることで、すぐに評価できます。

既存クライアントのレビューの活用: ベンダーが提供する既存クライアントからのレビューや評価を活用します。これにより、過去のプロジェクトでの実績や信頼性を短時間で確認できます。

メンテナンスの負担

デメリット:

スクラッチ開発で構築されたシステムは、その後のメンテナンスが必要不可欠です。特に、システムの運用中に発生するバグ修正やセキュリティアップデート、機能追加などは、予想以上に時間とコストを要する場合があります。

対策:

運用保守も任せられるベンダーの選定: 開発と運用保守を一貫して提供できるベンダーを選ぶことで、システムのメンテナンス負担を軽減します。このアプローチにより、開発者がシステムの初期構築後も継続的に関与し、深い知識を持った状態でメンテナンスやアップデートを実施できます。これにより、問題の迅速な解決とシステムの安定性が確保されます。

継続的なサポート契約の確立: ベンダーと継続的なサポート契約を締結し、定期的なアップデートやトラブルシューティングを保証する体制を整えます。これにより、予測外の問題にも迅速に対応できるようになります。

ドキュメントの整備: コードやシステム設計に関する詳細なドキュメントを整備することで、メンテナンスの効率を高め、将来的なシステム改修を容易にします。

定期的なメンテナンス計画: 定期的なシステムチェックとメンテナンス計画を策定し、問題が発生する前に予防的な対策を講じます。また、アップデートや改善を計画的に行うことで、システムの安定性を維持します。

スクラッチ開発を成功させるためのヒント

スクラッチ開発を成功させるためのヒント

スクラッチ開発の成功には、明確な計画と強固な協力体制が不可欠です。以下のヒントを参考に、プロジェクトを成功へと導きましょう。

要件定義はとにかく大事!

要件定義は、プロジェクトの基礎となる重要な段階です。ここでの曖昧さは、後の工程で予期せぬ問題を引き起こす可能性があります。

システムが解決すべき問題、提供すべき機能、そしてユーザーの期待を具体的に定義します。全てのステークホルダーと密にコミュニケーションを取り、要件を明確に文書化することで、開発の方向性を確実に定めることができます。また、優先順位を設定し、必須機能と追加機能を区別することも忘れずに行いましょう。

専門家の活用とチームの協力

スクラッチ開発には高度な専門技術が必要です。

適切な専門家をチームに加え、各分野のスキルをバランスよく組み合わせることが大切です。フロントエンド、バックエンド、データベース、セキュリティなど、各領域のエキスパートでチームを組むことが必要です。

さらに、チーム内の継続的なコミュニケーションを強化し、定期的なミーティングや進捗レポートを通じて、プロジェクトの進行状況を共有します。これにより、問題の早期発見と迅速な解決が可能になります。

スモールスタートの戦略

大規模なプロジェクトを一度に進めるのではなく、小さな部分から始めるスモールスタートの戦略を採用します。

例えば、必要最低限の機能を備えたプロトタイプ(MVP: Minimum Viable Product)を作成し、ユーザーからのフィードバックを基に段階的に改善を重ねていきます。この手法により、開発リスクを最小限に抑えつつ、市場のニーズに柔軟に対応することができます。また、早期に実際の使用環境でのテストが可能となり、予期せぬ問題の早期発見にも繋がります。

これらのポイントを押さえることで、スクラッチ開発のプロジェクトを効果的に進め、高品質なシステムの構築と、プロジェクトの成功へと導くことができます。常に柔軟性を保ち、必要に応じて計画を調整する姿勢も必要です。

スクラッチ開発は時代遅れか?

スクラッチ開発は時代遅れか?

スクラッチ開発は「時代遅れ」だと思われがちですが、実際はテクノロジーの進化とともに変化し続けています。クラウドサービスやノーコード開発、アジャイル開発といった新しい技術や手法の登場により、スクラッチ開発の在り方も大きく変わってきました。最後にスクラッチ開発の今後のトレンドについて説明します。

クラウドサービスとノーコード開発の影響

クラウドサービスとノーコード開発は、近年急速に普及しています。クラウドサービスは、サーバーやストレージ、ネットワークなどのインフラを提供するだけでなく、開発プラットフォームやAIツールなど、さまざまな開発リソースを手軽に利用できる環境を提供します。これにより、スクラッチ開発の初期コストが大幅に削減され、開発スピードが向上しています。

一方、ノーコード開発は確かに多くの場面でスクラッチ開発に取って代わりつつありますが、高度なカスタマイズや特殊な要件が必要な場合、依然としてスクラッチ開発が重要な役割を果たしています。つまり、スクラッチ開発は「時代遅れ」になったのではなく、より専門的で高度な領域にシフトしているのです。

アジャイル開発との相性

アジャイル開発の反復的なアプローチと継続的なフィードバックのサイクルは、スクラッチ開発プロジェクトに柔軟性をもたらします。これにより、刻々と変化するユーザーニーズや市場動向に迅速に対応できるようになりました。

従来の「時代遅れ」な開発手法と思われがちなスクラッチ開発も、アジャイルと組み合わせることで、開発チームはより迅速かつ柔軟にシステムを構築できます。これにより、プロジェクトのリスクを軽減し、成功の可能性を高めることができます。

スクラッチ開発とアジャイル開発を組み合わせることで、むしろ最先端の開発アプローチとなり得るのです。

まとめ

スクラッチ開発は、1からオーダーメイドで自由にシステムを構築できる開発方法です。

SaaSやパッケージソフトウェアの中から、自社業務プロセスにマッチしたプロダクトを見つけられない場合、スクラッチ開発を検討するフェーズかもしれません。

開発ベンダーの見積もりを取る際、ぜひオフショア企業を含められることをおすすめします。

オフショア開発とはベトナムやインドなどの人件費の安い海外のベンダーに開発工程をアウトソーシングする開発形態です。グローバル化が進む中で、日本企業の半数以上がオフショアを活用しています。

ラビローは、ベトナムと日本に拠点を置くソフトウェア・アプリ開発企業です。日本企業の開発パートナーとして、業務システム、アプリ開発の多くの案件実績がございます。また、自社開発のパッケージソフトウェアの提供も行っております。

弊社開発チームのエンジニアはハノイ工科大学出身で、JavaやPHPを用いたウェブアプリの開発を得意としております。

システムやアプリのスクラッチ開発、リニューアル、SaaSの導入など、ITによる課題解決でお困りの企業様、お気軽にご相談ください。

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Kakimoto Kota
Rabilooのオウンドメディアで制作ディレクターを担当。日越翻訳、記事、動画、SNS、コンテンツの戦略立案から制作まで行う。2015年よりベトナム・ハノイ在住
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