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オフショア開発を導入したいけど、外国人とのプロジェクトが本当にうまくいくのか不安だ。
エンジニア単価は安くても、結局コストが高くなってしまうのではないか。
あなたがオフショア開発の導入をはじめて検討されているなら、このような不安をもたれるかもしれません。
オフショア開発は「プロジェクトの予算を抑えられる」と「エンジニアリソースの確保」 というメリットがあります。
しかし「思ったような結果が得られなかった」「プロジェクトが失敗してしまった」 という失敗事例も多く見られます。
どうすればそのような失敗を初めから避け、オフショア開発を成功させることができるでしょうか。
この記事では、
オフショア開発サービスを提供する弊社Rabiloo(ラビロー)の編集部が現場の知見も踏まえて、オフショア開発で「よくある失敗事例」を5つ取り上げ、「失敗に至った原因」を探ります。
さらにそれを踏まえて、「オフショア開発を成功させる方法」を7つご紹介します。
この記事をお読みいただき、オフショア開発に対する不安な気持ちを取り除いていただければ幸いです。
まず前提としてITプロジェクトは、オフショアに限らず国内プロジェクトにおいても失敗することは珍しくありません。
▶システム開発プロジェクトでよくある失敗事例の原因から学ぶ教訓
オフショア開発では、そこへさらに「言葉の壁」「文化の違い」「距離や時差」といった要素も加わるため、トラブルがさらに多くなります。
近年は、オフショア開発を行う企業も増えているため、失敗事例もネット上でシェアされています。
細かい状況は異なりますが、オフショア開発の失敗事例をまとめると、だいたい以下の5種類に集約されます。
コミュニケーションがうまくいかなかった
予算をオーバーしてしまった
こちらの想像していたものと全然イメージの違うのものができ上がった
納期に間に合わなかった
思ったより低品質で、修正点がたくさんあった
では失敗ケース5つを掘り下げて原因を探ってみましょう。
オフショア開発ではブリッジSEと呼ばれるポジションのスタッフが日本と海外チームの間に入ってプロジェクトのコミュニケーションを取ります。
ブリッジSEは日本人が担当することもあれば、日本語の堪能な海外のエンジニアがアサインされることも多いです。
しかし、オフショア開発プロジェクトでの「コミュニケーションがうまくいかない」とは、単なる言語だけの問題ではありません。
「文化」や「習慣」の違いから生じるコミュニケーションギャップがあるということをまず理解しなければなりません。
日本で常識とされていることは、ベトナムでは常識ではありません。
ベトナムのみならず、外国の企業と関わると、日本文化こそが世界の中で異色であることに気付かされるものです。
▶ブリッジSE(BrSE)とは?オフショア開発で必要なスキルをわかりやすく解説
日本は高コンテクスト(文脈で通じる)文化です。曖昧な表現をつかっても「暗黙の了解」や「空気を読む」ことで、ある種の意図は通じ合います。
しかし、ベトナム語は低コンテクスト(はっきり表現しないと伝わらない)の文化です。
たとえ日本語が話せるとしても、ベトナム人に曖昧な表現を使っても伝わりません。
例えば、「そのあたり、うまくやっといてください」などの言い方では外国人には伝わりません。「そのあたり」とは何か、「うまくやる」とは具体的にどういうことか、「いつまでに」するのか、こういったことを具体的にはっきり伝える必要があります。
日本人はコミュニケーションの中で、日本語特有の曖昧な表現を無意識のうちに使っていますが、それはオフショア開発において大きなトラブルの原因になります。
オフショア開発には立ち上げのためのイニシャルコストやコミュニケーションコストがかかります。
そのため、短期の案件ではコストメリットが出せないことがあります。
また、請負契約ではプロジェクト始動後の要件追加や仕様変更に柔軟に応じることができません。工数の追加によって費用が生じてしまい、当初の予算を上回ってしまうケースもあります。
また、為替の影響で単価が値上がりし、期待したほどのコスト削減ができなかったという事例もあります。
これもコミュニケーションギャップによって生じる問題です。
オフショアプロジェクトにおいて仕様を明確にすることは極めて重要です。
契約を元に開発をすすめるため、ベンダーは基本的に仕様書に書かれていないことは行いません。
これでもか、というぐらい指示は明確にしなければなりません。
ユーザーインターフェイスやデザインに関しても、発注したいもののイメージが明確に伝わるようにサンプルとなるサイトや画像を加えることも必要です。
とりわけ請負契約で開発を行なう際は「要件定義」の詰めが甘いと、後からやり直すことができません。
完成品を期待通りのものにするには、最初のフェーズで要件定義を明確に行う必要があります。
納期が間に合わないケースの多くは、発注側が要件を途中で追加して、スケジュールに無理が生じたという事情があります。
タスクを途中で追加されると、進捗スケジュールがずれ込んでプロジェクトが失敗してしまう結果になります。
さらに最初に「仕様が明確になっていなかった」ことも遅れる原因になります。
ベンダーは発注者の意図が明確にならないと開発を進められないため、何度も発注者に確認を取ります。
そうしたレスポンスの悪さが、スケジュールをだんだん遅らせる原因になります。
さらに、「仕様書にない要件をあとから追加する」ことも、納期が遅れる原因になります。
ベトナムのエンジニアは基本的に技術は高く、日本のエンジニアと比べてもスキルの面でも遜色はありません。
しかし、ごくまれに、完成品は仕様書通りの動作はするもののパフォーマンスが悪かったり、多くのバグが発生したり、などという低品質なものが納品されることがあるようです。
多くの場合、その原因は「単価があまりにも安い業者を選んでしまった」ことにあります。
「安かろう悪かろう」はオフショア開発においても真実です。
また、「開発分野に実績がないベンダーを選択してしまった」場合もこのようなことが起こりえます。
駆け出しの、設立して間もない小規模な企業にありがちなケースです。
次に、これを踏まえてどうすればオフショア開発で失敗を避けられるか対策を考えていきましょう。
オフショア開発を成功させるための7つの対策は以下のとおりです。
安すぎる見積もりは疑ってかかる
実績のある会社を選ぶ
コミュニケーションを頻繁に取る
進捗管理の徹底
オフショア委託国の文化に理解を示す
指示は「わかりやすく」「具体的に」「はっきり」伝える
日本と国民性が近い国を選ぶ
では、一つずつ見ていきましょう。
コストを安く抑えたいあまり、格安の見積もりを出す業者は要注意です。
一般的に、見積もりが相場よりも安すぎる場合は疑ったほうがいいでしょう。安いには安いなりの理由があります。
ジュニアエンジニアやインターンだけでチームが組まれているかも知れず、テストのプロセスが甘くなっているかもしれません。
経験を積んだシニアエンジニアやBrSE(ブリッジSE)、品質保証などの高スキルを持つエンジニアを開発チームにアサインするにはそれ相応の見積もり単価になります。
低品質な成果物を納品されるという失敗を避けるために、「プロジェクト案件の分野に対して実績があるか」を確かめることは重要です。
依頼したい分野において、プロジェクトの実績がある会社を選ぶなら大きな失敗を避けることができます。
コミュニケーションは、オフショア開発においてもっとも重要なポイントです。
その企業は打ち合わせのフェーズで、チャットやビデオ会議のツールを利用して、記録を取りながらしっかりコミュニケーションがとれるでしょうか。
プロジェクト始動後は、
「かならず週1回は顔を見てビデオ会議をする時間を設ける」
「ツールを使ってコミュニケーションをこまめに取る」
「チャットやメールの返事はいつまでにする」
などコミュニケーションのためのルールを決めておくことは肝要です。
進捗をマネジメントしていく体制と指示系統をはじめにしっかりと構築します。
現地と日本側の橋渡しをするBrSE(ブリッジSE)との連携は極めて重要です。
報・連・相の文化を徹底させ、発注者の方から積極的に進捗に関心を払ってください。
オフショア開発で生じる失敗の多くは、進捗を開発チームにほとんど丸投げにし、プロジェクトがブラックボックス化してしまうときに生じます。
プロジェクトの進捗管理を徹底することは成功のカギです。
一般にオフショア委託国となるアジア圏の人たちは、仕事よりも家族を大切にする文化があります。
休日とりわけ旧正月を家族と過ごすことはベトナム人や中国人にとって非常に大切です。
当たり前のことですが、基本的に仕事は契約で合意した範囲で行ないます。
オフショアチームを「格下の下請け」として見下すのではなく、あくまで「ビジネスパートナー」として接するようにしましょう。
開発国の文化に理解を示すこともプロジェクト成功のために肝要なポイントです。
関連記事:意外と知らないベトナムの旧正月【テト】についてご紹介します
日本人同士なら「行間を読んで」わざわざ言わなくて分かることも、外国の文化では「はっきり」言わなければ伝わりません。
たとえば、日本語が堪能なエンジニアと話すとき、「日本人同士が話すような言い回し」や、「省略した話し方」は避けましょう。外国人にとって、あいまいな日本語は理解しにくいものです。意味を取り違えて理解されるケースも実際に起こります。
もしかすると、オフショア開発においてコミュニケーションが上手く行かないのは、発注者側の「伝え方に問題がある」のかもしれません。
特に、文系の人(発注者)が理系の人(エンジニア)にモノをうまく伝えるのには、シンプルに要点をついた表現をしなければなりません。
やさしい日本語で、はっきり明確に伝えるようにするならトラブルを避けられます。
オフショア企業を選ぶ際に、国民性の相性も考えておくと良いです。
例えば中国やインドは、一般的に「自分の失敗を認めない」「人に責任転嫁する」「自分の意見が強い」といった性格の人が多い傾向にあります。
国民性の相性が良くない国とビジネスをすると、トラブルになるケースも見られます。
一方、一般的にベトナムやミャンマーの国民性は日本人と合いやすく、勤勉で真面目だと言われています。日本と国民性が比較的近い国の中からベンダーを選定するとうまくいきやすいです。
この記事では、オフショア開発でよくある失敗事例について解説しました。
多くの失敗に共通して見られるのは、「コミュニケーション不足」です。
これはオフショアに限らず、国内プロジェクトに関しても言えることです。
安すぎる見積もりは疑ってかかる
実績のある会社を選ぶ
コミュニケーションを頻繁に取る
進捗管理の徹底
開発国の文化に理解を示す
指示は「わかりやすく」「具体的に」「はっきり」伝える
日本と国民性が近い国を選ぶ
この7つの対策をしっかり行なって、プロジェクトを成功させ、オフショア開発のメリットを最大限に出してください。
Rabiloo(ラビロー)はベトナムのグローバルテクノロジー企業です。
弊社はユーザー企業のビジネスパートナーとなり、プロジェクトの成功にコミットします。
これまで、日本企業の案件を数多く手掛けて、十分な実績があります。
コミュニケーションは100%日本語で行いますのでご安心ください。
ベトナムでトップのハノイ工科大学を卒業した優秀なエンジニアがプロジェクトにアサインされます。
弊社プロジェクトでは、slack, skype, trelloなどのコミュニケーション・プロジェクト管理ツールをフル活用して進捗を徹底管理しています。
まずはスモールスタートで、小さな案件からお試しいただくことができます。
お見積り・ご相談は無料です。
アプリ開発、エンジニアのラボ型契約のお見積り、なんでもお気軽にお問い合わせください。
参照記事:「こいつら使えない」とは言わせない!ベトナムオフショアで奮闘するブリッジSEにインタビュー
導入事例
▶︎株式会社Tryhatch(トライハッチ)とKIGEKI(キゲキ)株式会社様
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